『GOMA展 WONDER』約80点ほぼ新作! 不思議と驚きと奇跡の世界へ。【八戸市美術館】
弘前市出身のアーティストGOMAさんの大規模個展が、2026年3月29日(日)まで八戸市美術館にて開催されています。会場に一歩足を踏み入れると、本展のテーマである「不思議と驚きと奇跡」の連続! そんな、幻想的なアートの一部をご紹介します。
弘前市出身のアーティストGOMAさんの大規模個展が、2026年3月29日(日)まで八戸市美術館にて開催されています。会場に一歩足を踏み入れると、本展のテーマである「不思議と驚きと奇跡」の連続! そんな、幻想的なアートの一部をご紹介します。
青森県八戸市出身。関東で保育士として8年間、宿泊業界で2年間勤務したのち、地元・八戸へUターン。現在はフリーランスWebライター/編集者として、主に企業のオウンドメディアの記事制作に携わっている。
帰郷をきっかけに、八戸の自然や人の温かさ、地域の魅力を再確認し、地元をテーマにした取材・執筆にも力を入れ活動中。
X(旧Twitter)

開催期間:2026年2月14日(土)~2026年3月29日(日)
『GOMA展 WONDER』では約80点の作品が展示されており、そのうち約9割が今回の展示会のために描き下ろされた新作とのこと。
GOMA展に足を運んだことがある方も、今回初めて訪れる方も存分に楽しめる充実のラインナップです。

内覧会では、GOMAさんのギャラリートークが行われ、各ブースの作品の見どころを丁寧に解説してくださいました。ここからは、語られた内容をもとに会場の様子をお届けします。
メイン会場となるホワイトキューブに入室して最初に出迎えるのは、モノクロ作品です。

GOMAさんが最初に口にされたのは、「僕はモノクロの作品が好きです」という一言。
GOMAさんの作品と言えば、ポップでカラフルな作品の印象が強いので、その言葉は少し意外に感じられました。
モノクロ作品について、GOMAさんはこう語ります。
「絵に色を入れてしまうと、限界値を決めてしまう。例えば、消防車は“赤”、魚は“青色”みたいな。これらの色って人が勝手に決めていると思っていて、そういった固定観念を取り除くためにモノクロの部屋をつくりました」

部屋の中央に置かれているのは、《神魚》と呼ばれる作品。産業廃棄物として捨てられる予定だった木材を解体業者から買い取り、改修して手がけたもの。GOMA展に展示されている造形物の多くが、こうした再生素材から生まれています。
普段、色のある世界に囲まれて住み慣れている私たちにとって、白と黒だけの空間に入ると不思議な感覚に包まれます。
そこに流れるのは、余計な情報が削ぎ落とされ、神経が研ぎ澄まされるような時間。描かれる植物や建物、モンスターなどを眺めながら「もしここに色があるとしたら?」と想像すると、自分だけの世界が広がっていきます。

部屋のなかには、7箇所のフォトスポットが…! 気に入った絵の前で記念写真を撮影して楽しむことができます。
GOMA展では、実際に会場まで足を運んだ方にしか味わえない体験も用意されています。
その一つが、“アートの街づくり”です。

「僕の代表的な絵のモチーフとなっているビルを、立体化したらどうなるんだろう……ってことで、今回はビルを立体化してみました。GOMA展はお子さま連れがとても多いので、大人だけではなく子どもたちも楽しめるように、“街づくり”が体験できるブースを用意しています」
誰でも気軽に参加できるとのことで、取材班も“街づくり”アートに参加! 大人になってもこういった創作体験はやはりワクワクするもの。少し童心に返りながら、思い思いにビルを描きました。

やり方1.発泡スチロール素材のパーツを手に取ります。※パーツの数に限りあり

やり方2.マジックペンでパーツに好きな絵や模様を描きます。

やり方3.ビルが完成したら、奥から間隔を詰めて設置。
展示会の最終日を迎えるころには、GOMAさんと参加者が一緒につくり上げたビルがずらりと並び、大きな街が完成していることでしょう。
どんな街並みになるのか、今から楽しみですね。
GOMAさんの作品のなかでも、代表作の一つとされる《ムーンモンスター》。
「月に住む怪獣」をテーマに生み出された、多くの人に愛されているキャラクターです。文字を使わず、絵だけで描かれており、世界中の人々が言葉の壁を越えて楽しめるようになっています。

「ムーンモンスターがつくられてから、これを超えるほどの人気を持つ作品はまだ出ていません。そんなムーンモンスターをあらためて深掘りしてみたくなって、平面の作品を立体化することにしました。これまで正面しか知られていなかったので、この展示会で初めてムーンモンスターの裏側まで見られるようになっています」

特に話題を集めているのが、左側に置かれている青森の伝統工芸・津軽塗りカラーのムーンモンスター。リアルな再現に、「本物の津軽塗りですか?」と見間違える人が現れるほどの完成度です。
GOMAさんはもともと、スプレーアーティストだったのだそう。
フランスで開催されたイベントにスプレーアーティストとして参加した際に、長い待ち時間ができて、そのときに会場にあったライブアート(お客さまの目の前で即興で描き上げるパフォーマンス)の壁にマジックペンで絵を描いたとのこと。
すると、瞬く間に人だかりができて、当イベントのなかで最も人を集めたそうです。
そのときに「ペンでモノクロを描くアートは世界で通用する!」と思い、今のドローイング(鉛筆やペンで線を描く手法)へ徐々にシフトしたのだとGOMAさんは言います。
「今は基本的に子どもたちが喜ぶ作品を意識して描いているんです。
僕は子どものころ、『ウォーリーをさがせ!』っていう絵本が大好きで、無我夢中でキャラクターを探していた記憶があります。だから、僕の絵にもいろんなキャラクターを隠して、子どもたちに楽しんで見てもらいたいなという思いで作品をつくっています」

展示会のPRで訪れた、青森駅・八戸駅・ラピア・FESANでライブアートを実施。青森の名産物や伝統工芸などの絵が隠れています。ご家族やご友人と一緒に「ここに◯◯がある!」と探しながら盛り上がること間違いなしです!
GOMAさんは、目が不自由な方々にも絵を楽しんでほしいという思いから、『手で触るアート』も制作。
美術館は視覚的に楽しむ場所というイメージが強いため、目が見えない方や見えにくい方は、美術館になかなか足を運びにくい現状があります。
GOMAさんは「どうしたら僕のアートを“見てもらえるのか”?」と模索を重ね、今回の作品を生み出しました。

点字プリンターを持つ〈夢・デザイン〉の協力のもと、凹凸のある絵を制作。誰でも触れることができますので、ぜひ実際に手で触って体験してみてください。
また、GOMAさんは、『第2のGOMA育成プロジェクト』を立ち上げ、全国の特別支援学校・特別支援施設にて、ボランティアでワークショップを行っています。

青森県立八戸高等支援学校の生徒の皆さんと共同で作成した八幡馬。
「障がいがある方々はどうしても進路や就職先が限られてしまう。アートを経験して、アートを好きになることで、もしかしたら絵を描くことが未来につながるかもしれない。『アートが助けになればいい』そんな思いで、プロジェクトを続けているんです」
GOMAさんは自身が発達障がいと文字が読めない学習障がいを持っていることを公表しています。「そういった障がいのある方々には、ユニークで力強いアートを生み出せる才能の持ち主もいる」とGOMAさんは言います。
アートを通して、一人ひとりが秘めている可能性と夢を照らしているのですね。
順路最後に用意されている個室では、暗闇と光が融合されたアートを体感できます。
「ここは最後に心を落ち着かせる最後の夜の部屋です。
『ああ、ここで終わっちゃうんだな』とか『ああ、明日からまた仕事だ』とか、いろんな気持ちが浮かんでくると思います。そして、部屋を出た瞬間に現実の世界へ戻っていく。そんなひとときが感じられる場所です」

壁面にはスプレーアートで宇宙が描かれています。ところどころに設置されているオブジェはブラックライトで光って見える仕組み。天井に吊るされているのは、なんとムーンモンスターのフィギュア! さまざまな色やかたちのムーンモンスターがプラプラと揺れていて、か、かわいい…!
現実に戻ると、ちょっと寂しさを感じる瞬間があるかもしれません。
しかし、ここで見た記憶や体験した時間は、きっと心に残り続けることでしょう。そしてふとした瞬間に思い出され、明日への活力になってくれるはずです。
館内には特設ショップもあります。お気に入りのアイテムを手に取り、来場の思い出としてご購入されてみてはいかがでしょうか。


また、〈八戸市美術館〉から中心街方面へ向かって徒歩1分の場所にある〈カネイリ番町店・カネイリ喫茶〉にて、GOMA展コラボメニューとして「ワンダーフロート」を提供中です。
カラフルなデザインのムーンモンスターをイメージし、5色の味が楽しめるゼリーが入ったソーダフロートは、見た目にも楽しく、写真を撮りたくなる一杯です。

〈八戸市美術館〉で開催される『GOMA展 WONDER』の会期は、2026年2月14日(土)〜 3月29日(日)で、次回の開催はいつになるのかわからないとのこと。
この機会にぜひ会場に足を運び、GOMAワールドを全身で体感してみてください。
『GOMA展 WONDER 不思議と驚きと奇跡』
会期:2026年2月14日(土)〜 3月29日(日)
会場:八戸市美術館 ホワイトキューブ
休館日:火曜 ※2月17日(火)は開館
観覧料:一般1,200円(1,100円)、高校生・大学生800円(700円)、小学生・中学生600円(500円)、未就学児無料
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
※障害者手帳をお持ちの方とその付き添い者1名は当日券より半額
弘前市出身のアーティストGOMAさんの大規模個展が、2026年3月29日(日)まで八戸市美術館にて開催されています。会場に一歩足を踏み入れると、本展のテーマである「不思議と驚きと奇跡」の連続! そんな、幻想的なアートの一部をご紹介します。
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