開館5周年記念は『日比野克彦』展! 参加型プロジェクトも同時開催。【八戸市美術館】
八戸市美術館の開館5周年を記念し、東京藝術大学の学長も務める現代美術作家・日比野克彦さんの展覧会が2026年4月18日(土)~2026年9月23日(水・祝)の期間、開催中です。当展覧会は、2025年に水戸芸術館で開催された企画展の巡回開催にあたります。会場では、日比野さんの幼少期時代の作品、一世を風靡した段ボールを素材とするアート、そして現在の多岐にわたる活動まで、約200点にもおよぶ作品が展示されています。
八戸市美術館の開館5周年を記念し、東京藝術大学の学長も務める現代美術作家・日比野克彦さんの展覧会が2026年4月18日(土)~2026年9月23日(水・祝)の期間、開催中です。当展覧会は、2025年に水戸芸術館で開催された企画展の巡回開催にあたります。会場では、日比野さんの幼少期時代の作品、一世を風靡した段ボールを素材とするアート、そして現在の多岐にわたる活動まで、約200点にもおよぶ作品が展示されています。
青森県八戸市出身。関東で保育士として8年間、宿泊業界で2年間勤務したのち、地元・八戸へUターン。現在はフリーランスWebライター/編集者として、主に企業のオウンドメディアの記事制作に携わっている。
帰郷をきっかけに、八戸の自然や人の温かさ、地域の魅力を再確認し、地元をテーマにした取材・執筆にも力を入れ活動中。
X(旧Twitter)

開催期間:2026年4月18日(土)~2026年9月23日(水・祝)
日比野さんは、東京藝術大学に在学していた1980年代前半より、美術作家としての活動をスタートさせます。当時、段ボールを使った作品で公募展の大賞を立て続けに受賞して、一躍注目を集めました。
日比野さんと八戸市の関わりは、八戸市美術館のリニューアル構想が始まった2016年から続いています。現在、八戸市美術館の運営協議会会長も務めているご縁から、開館5周年を記念して、今回展覧会を開催します。

内覧会では、日比野さんから展覧会の見所や作品に込めた思いが語られました。ここからは、語られた内容をもとに展覧会の楽しみ方をお届けします。
展覧会では、日比野さんの幼少期の作品から、一世を風靡した段ボールを素材とする作品、現在進行中のプロジェクト作品まで幅広く並びます。
会場の壁には年譜が掲示されており、その流れに合わせて、各時代の作品が展示されています。そのため、日比野さんが生まれた1958年から2026年の現在の歩みを追体験する感覚で楽しめる内容です。


年譜には当時の写真や日比野さんのコメントなども添えられているため、とても見応えがあります。取材班もついつい足を止めて見入ってしまいました!
1980年代のエリアには、段ボールを用いた作品が並びます。

80年代当時、日比野さんは大学生で、このころ、さまざまな素材を使った作品づくりに取り組んでいました。わら半紙(古紙が原料のグレーがかった紙)やクラフト紙、ボール紙(複数の紙を圧着して作られた厚手のある紙)、大学生時代に最後に行き着いたのが段ボールです。

1984年に制作された作品《オートバイ》。 実物大ほどの大きさで、会場内でもひときわ目を引く作品です。
展覧会のタイトルである「ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」は、日比野さんが幼稚園のころの経験から生まれたものです。
日比野さんは幼いとき、思いがけずひとりぼっちになってしまい、立ち寄った橋の上で川を眺めていました。そこで初めて“ひとり”を実感したそうです。
「作品は『自分以外のだれかに見てもらいたい』という気持ちがなければつくれません」
「自分を俯瞰して見られるようになるのは、幼少期と言われています。つまり、幼少期に自分という存在を意識し始めることで、“ひとり”から“だれか”へ思いを届けたい気持ちが生まれるのです」と日比野さんは語ります。
人とのつながりを実感し、相手を大切にしようとする気持ちは、幼少期に“ひとり”を知ったからこそ芽生えるものなのかもしれませんね。

日比野さんが“ひとり”を感じた橋の作品の前に立つと、静かに“ひとり”の時間が流れます。
本展の期間中、会場内で作品を制作することができます。テーマは「思い出の橋をつくろう」です。
過去2回(2002年/2025年)に制作された作品も会場に展示されています。

大きさ・デザインの異なる橋たち。橋と橋がつながっていき、新たな景色を生み出しています。
橋づくりのポイントを日比野さんが教えてくれました。
「自分が渡ったことのある橋を思い浮かべ、その橋はどこからどこへ行くときに渡ったのか、記憶をたどってみてください。ひとりで渡ったのか、それとも誰かと渡ったのかまで、具体的に振り返ってほしいです。
そして、橋の上にいる自分を想像して、歩いたり、立ち止まってみたりする姿をイメージします。そこでの気持ちを感じるままに手を動かして、橋をかたちにしてみてください」

〈創作コーナー〉 子どもから大人まで楽しめる創作スペースです。
みなさんの心に残っている橋はどこですか? この機会に、自分の記憶と作品がつながる感覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回、展覧会と並行して『KAIKONプロジェクト』が同時開催されています。
『KAIKONプロジェクト』は、日比野さんの出身地の岐阜県にある倉庫で保管されていた作品を、アートファーマー(※)の方々と一緒に掘り起こしていく企画です。来場者は作品を開ける様子を間近で見ることができます。
※アートファーマーとは…アートでコミュニティを耕し育むことを目的に活動する市民の総称

保管場所は、繊細なつくりの段ボール作品からダイナミックなサイズの舞台幕まで約500点の作品で埋め尽くされています。
「KAIKONには、作品が入っている箱を開ける“開梱”と、アートファーマーの方々と眠っていた作品を掘り起こしていく“開墾”という二つの意味があります。このプロジェクトを通して、アートファーマーさんやご来場のみなさまと一緒に新たな価値を見つけていく喜びを共有したいです」と日比野さんは語ります。
日比野さん曰く、このような企画は世界でも前例がないそうです。そんな世界初かもしれない試みが、ここ八戸で始まっています。
この企画の原点にあるのは、日比野さんのお母さまの存在なんだとか。
「私の母は、私の小さいころからの作品を取っておく人でした。特に気に入ったものは額に飾るなどして、ずっと自宅で大事に保管してくれていたのです。母親の『作品を残そう』という思いがなければ、今のように倉庫に多くの作品が保管されることはなかったかもしれません。母親が大切に作品を残してくれたことの延長線上に今回の展覧会やプロジェクトがあると思います」
作品を守り続けたお母さまの思いが、今へと受け継がれているんですね。
『KAIKONプロジェクト』開催日は、八戸市美術館の公式サイトにて確認できます。ぜひ会場に足を運び、作品が開かれる瞬間を見届けてみてはいかがでしょうか。
館内には特設ショップもあります。日比野さんの段ボール作品を自宅で再現できるキットや、子どもの自由な発想で描き込める絵本(子どもが絵本に落書きしたり、ページをハサミで切ったりしてもよい本)などが並びます。

日比野さんの展覧会は、2026年4月18日(土)~2026年9月23日(水・祝日)まで続くロングランの開催。しかし、KAIKONプロジェクトで発掘された作品が展示されるなど、何度行っても楽しめる内容です。
ぜひ会場まで足を運び、日比野さんの作品の魅力に触れてみてください!
『日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで』
会期:2026年4月18日(土)〜9月23日(水・祝)
無料観覧デー:5月1日(金)
会場:八戸市美術館
休館日:火曜(5月5日、8月4日、8月11日は開館)、5月7日、8月5日、8月12日
観覧料:一般1000円(800円)、大学・専門学校生500円(400円)、高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※有料駐車場ご利用の運転手1名につき団体料金適用
※八戸市内および近隣町村(三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町)在住の65歳以上の方は半額
※障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は半額
フリーパス「かおパス」(本展に限り何度でも観覧可)
一般1500円、大学生・専門学校生750円
※各種割引との重複使用不可
八戸市美術館の開館5周年を記念し、東京藝術大学の学長も務める現代美術作家・日比野克彦さんの展覧会が2026年4月18日(土)~2026年9月23日(水・祝)の期間、開催中です。当展覧会は、2025年に水戸芸術館で開催された企画展の巡回開催にあたります。会場では、日比野さんの幼少期時代の作品、一世を風靡した段ボールを素材とするアート、そして現在の多岐にわたる活動まで、約200点にもおよぶ作品が展示されています。
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