本物を知りたい人は〈たなぶ酒販〉へ! 老舗の酒屋が選ぶ年末年始のおすすめ3選。

インターネットで調べものをすると、膨大な量の情報が手に入りますが、果たしてそれが真実なのか、その判断は難しくなってきていると感じています。そんな時代だからこそ、専門家の意見をよく聞いて、実際に目で見て触れて、確かめて、本当に良いものを手に入れたいものですよね。〈たなぶ酒販〉では定期的に試飲会を実施しています。スタッフの久美子さん自作の、もはや教科書のようなリーフレット片手に、お酒のことを気軽に学んで見ませんか?

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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国道45号を旭ヶ丘方面へ曲がり、右手に見えてくる黒いシックな建物。ここは八戸市旭ヶ丘の老舗酒店〈たなぶ酒販〉です。


〈たなぶ酒販〉の歴史は旭ヶ丘団地と共に。時代を生き抜いた酒屋の歴史。

1962(昭和37)年に旭ヶ丘団地ができた頃、同団地内の商店の募集がありました。そこに手をあげたのが、現在の〈たなぶ酒販〉。当初は生活雑貨を販売する〈たなぶ商店〉として商売がスタートしました。その後、1964(昭和39)年12月に酒類販売業免許を取得し、酒屋を開業。そこから〈たなぶ酒販〉の歴史が始まりました。

最初は団地内で商売をしていたという同店ですが、バス通りができるということで、現在の店舗に移転。移転後すぐは、現在の半分程度の大きさで、ビールやワイン、ウイスキーといったお酒と、ちょっとしたつまみを販売していました。まさしくサザエさんに出てくる“三河屋”のような昭和の酒屋さんだったといいます。

その後、時代は平成に変わり、一度コンビニチェーンの傘下に入りました。コンビニとしての商売を続けながらも、先代である田名部定明さんはお酒コーナーを拡大。お酒が充実しているコンビニのようなかたちになっていったといいます。

そして定明さんが逝去されたあと、もう一度初心に戻り、純粋な酒屋として商売をしようと決意。現在は、3代目の田名部公一朗さんを中心に、家族みんなで〈たなぶ酒販〉を支えています。

本が置いてあるのはコンビニ時代の名残り。お酒に関する本のほか、音楽、映画など個人的趣味な本も置いてます。販売はしていませんが、自由にみることはできるそうです!


本物を知ってほしい! たっぷり学べる〈たなぶ酒販〉の試飲会。

「コロナのあたりから、何かしたくてうずうずしていたんですが、それを試飲会というかたちで実現することができました」

そう語るのは、3代目の公一朗さんの妹にあたる、田名部久美子さん。

田名部久美子さん。

ちょうど昨年の12月頃、三日町〈八戸ポータルミュージアム はっち〉内にあるチーズ専門店〈Cheese Day〉の店主と意気投合し、チーズとお酒とスイーツが楽しめる試飲会『お酒もチーズも』を実施しました。いつも店舗にきてくれるお客さんとはまったく異なる客層に刺激をうけるとともに、お酒のことをよく学ぼうとしているお客さんがたくさんいることに気がついたそうです。

「コロナ禍でおうち時間が増えた影響か、家でお酒をたしなむ人が増えたようで。それならば、『レアな酒』とか 『希少価値が高い酒』などといった表面的な情報だけではなく、中身の良さを伝えたいと思いました」と久美子さん。

インターネットが普及した現代、簡単に情報が手に入り、商品を購入することができるようになりました。それはお酒も例に漏れません。そんな時代だからこそ、「本当の良さ」を知ってもらいたいと久美子さんは語ります。

そんな久美子さんの情熱は、試飲会で配られるリーフレットを見ればひとめでわかることでしょう。

各回で試飲できるお酒の種類や醸造元の情報だけではなく、そのお酒にまつわる基本情報や関連情報までを網羅したリーフレットを配布しています。なんとこちら、久美子さんの自作!! すごいを通り越してこれはやばい!! もはや教科書です。

ここ、テストに出ます。

お酒に少しでも興味のある方、お酒の知識を学びたい方は、ぜひ〈たなぶ酒販〉の試飲会へ。久美子さんの情熱を浴びながら、お酒の世界へ足を踏み入れていただきたいと思います。

ちなみに、店頭やインスタグラムに掲載されているお酒紹介のポスターもすべて久美子さん作! 久美子さん教科書(勝手に命名)のみならず、デザイン性が高く情報量の多い久美子さんポスターも、〈たなぶ酒販〉の代名詞と言っても過言ではありません。


年末年始の宅飲みにおすすめ! 〈たなぶ酒販〉セレクト3選。

お酒を愛する久美子さんを非常に困らせてしまった質問ですが、なんとか久美子さんに、年末年始におすすめのお酒を3つ、選んでいただきました!

1つ目に紹介するのは、〈金ヶ崎薬草酒造〉の「鳥海の金木犀酒」(2,200円)。

〈金ヶ崎薬草酒造〉のある岩手県の金ヶ崎町の近くに「鳥海(とのみ)」という地名があり、そこで採れた金木犀を使用しています。

このままロックやストレートで飲んでも、金木犀の香りがより広がって楽しめますが、久美子さんのおすすめは、ホットの無糖紅茶で割る飲み方! 年末年始にゆったりとした時間を過ごす際に、カフェ気分を味わいながら楽しめます。また、オレンジジュースとの相性も良く、カクテルとして楽しんでみても良いかもしれません。

そしてこちらの〈金ヶ崎薬草酒造〉、なんと創業は2021年!

代表をつとめる老川和磨さんは、元バーテンダーで金ヶ崎町出身。都内で自家製ハーブ専門のバーを営んでいたのですが、コロナをきっかけに帰郷、そして開業したのだそう。

久美子さんのリーフレットによると、「金ヶ崎町は特にこれという特産品がないのが特徴かもしれません。ほとんどお土産品がないんです。だから僕らが新たな金ヶ崎の特産品を作るんです」というコメントをされていました。

なんとパワフルなオーナーなのでしょうか! 「鳥海の金木犀酒」でゆったり過ごしながら、老川オーナーにパワーをいただく年末にできそうです。オーナーには会ったことないけど!(笑)

次に紹介するのは、〈横浜ベイブルーイング〉の「本牧コーラジン」(5,115円)。

もともと横浜スタジアムのクラフトビールを醸造していたという〈横浜ベイブルーイング〉。しかし、コロナ禍でスポーツ観戦の機会が突如失われ、大量のビールが提供できなくなってしまいました。そこで、提供できなかったビールを蒸留してクラフトジンをつくったのです。そのなかのひとつが「本牧のコーラジン」。

無色透明なお酒ですが、名前の通りコーラ味がするクラフトジンです! 炭酸を入れるとクラフトコーラっぽい味わいになります。また、寒い今の時期であれば、お湯で割るのもおすすめ。漢方茶のような味わいになるそうです。実際に「本牧のコーラジン」には、ルイボスティーなども入っており、身体を温める要素も含まれています。

朝日をのぞむようなラベルもおしゃれで、年末年始にぴったりですね。家族や仲間と過ごすおうち時間に「実は面白いお酒があってね……」と紹介すると、盛り上がること間違いなし!

最後に紹介するのは〈ストーンブリューイング〉の「Stone Enjoy By 01.01.24 Unfiltered IPA」(1,045円)。

アメリカのブルワリーで、究極の鮮度を目指した超人気シリーズ「エンジョイ・バイ」。商品名にある日付までに飲んでほしい、超限定ビールです。

一般的にビールは半年ほどの賞味期限で製造されるそうなのですが、こちらのシリーズは製造から1.5カ月以内を推奨しているのだそう。前作のテーマはハロウィンで、「31.10.23」とラベルに記載されていました。「期間限定」というフレーズや、イベントに合わせて製造されるなんて、非常に心わきたつシリーズですね。

ラベルは、花火が打ち上がり、まるで新年を祝うようなデザインですが、実際の味わいもホップの味が口の中で華やかに広がるようなビールになっています。

2024年1月1日までなので、ぜひカウントダウンと共に、召し上がってみてはいかがでしょうか?

年末年始のおうち時間に、こちらの3本のお酒はいかがでしょうか?

もちろんこちらの3本以外にも、ビール、日本酒、ウイスキー、ワイン、そしてアルコール度数の高いハードリカーと呼ばれるお酒まで、品ぞろえ豊富にお客さんをお待ちしています。

お買い求めの際は、ぜひ〈たなぶ酒販〉へ足を運んでみてください。いえ、買うものが決まっていなくても、むしろ買うつもりがなくても、ぜひ〈たなぶ酒販〉へ!

ネット検索では知りきれないお酒の魅力を、久美子さんがたっぷり教えてくれます。

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