
スイーツに選択肢を。金土日の週3日のみ営業する〈プチグリュ〉の、青森の魅力が詰まったケーキ。【堀端町】
ショーケースに美しく並ぶ、見ているだけでも心が躍る商品の数々。八戸出身のパティシエール、工藤慈子さんがつくる本場ヨーロッパの味をまとったスイーツたちです。青森県のおいしい食材と、工藤さんが本場現地で培った知識や感性を融合させて生み出されるスイーツには〈P’tit goulu(プチグリュ)〉ならではの魅力がたくさん詰まっていました。
ショーケースに美しく並ぶ、見ているだけでも心が躍る商品の数々。八戸出身のパティシエール、工藤慈子さんがつくる本場ヨーロッパの味をまとったスイーツたちです。青森県のおいしい食材と、工藤さんが本場現地で培った知識や感性を融合させて生み出されるスイーツには〈P’tit goulu(プチグリュ)〉ならではの魅力がたくさん詰まっていました。
青森県八戸市在住。2024年1月より他県から移住し、すでに八戸の魅力の虜に。
ナチュラルな食、そしてスポーツ観戦への関心が高く、八戸の食やスポーツと出合う場に積極的に赴く日々。
八戸市美術館から3分ほど歩いた場所に、グレーの壁が目を引くケーキ屋さんがあります。店内に入ると真っ先に目に入る、スイーツが並ぶショーケース。ケーキやスコーン、ジャムやドライクッキーなど、40種類ほどのスイーツが並び、訪店するたびに目を輝かせてしまいます。
「心から満足できるスイーツをつくるためには“おいしい”という点は絶対に譲れません。それを前提に、使っている食材にもこだわりを持って厳選しています。スイーツってとびっきりのご褒美じゃないですか? 食べてくれる人のその想いを裏切りたくないんです」
こんなふうにスイーツへの想いを話すのは、八戸出身のパティシエール、工藤さん。
幼い頃から漠然と、お店を持ちたいという想いがあったといいます。
幼少期の夢をかたちにするきっかけから、スイーツへのこだわりを伺いました。
「もともと食べることは好きでしたね。食に興味があったので、実際にお店をやろうと思ったタイミングで、好きなことがかたちになった感じかな。東京の専門学校を出た後、都内のケーキ屋さんに就職したり、その他カフェでも経験を重ねました。30代に入ってから渡欧し、ヨーロッパを回る中で縁のあった洋菓子店に就職。
実際に赴いた国はドイツでしたが、所属した会社はフランス人が経営するフランス菓子店。現地でフランス菓子をベースにした本場のお菓子文化に触れ、大好きな青森に戻ってきました」
ドイツで所属していたお店の前で撮影された集合写真。店内に飾られている。
お店の名前〈P’tit goulu〉もフランス語。「最初のフランス語講師が名付けてくれました。“goulu”は食いしん坊という意味も。私が食べることが好きだから名付けてくれたのかな?(笑)」
工藤さんが現地で得た知見が、現在お店に並んでいるスイーツにもたくさん取り入れられています。例えば、「Chocolat(ショコラ)」。これは現地で工藤さんが気に入ったレシピが受け継がれているスイーツ。日本で自己流にアレンジして仕上げました。
「なめらかなスイートチョコクリームやザクザクしたキャラメルアーモンドとヘーゼルナッツのチョコなど、何層にも重なるチョコレートの層が絶妙です。チョコレート好きにはぜひおすすめしたい一品ですね」
「Chocolat(ショコラ)」650円。
〈プチグリュ〉さんのケーキには米粉を使ったスイーツが多く揃えられているのも大きな魅力のひとつ。そのレシピ考案の背景にも、現地で磨かれた工藤さんの感性が活きています。
「ドイツで仕事をしていたとき、食文化の多様性に触れることができました。例えば、ベジタリアンやヴィーガンといった食のライフスタイルを持つ人、スケジュールに合わせてグルテンフリー生活をしている人など、自分の意志を持って食べるものをセレクトしている人と多く出会ってきたんです」
その生活から、『なんでもいい』ではなく、『これがいい』と選ぶことは大切なことだと語ります。
「“グルテンフリー”を強調したいわけではなくて、ここ八戸でも米粉のスイーツがお客さまの選択肢のひとつになると嬉しいなと思っています。今週は小麦粉を摂りすぎたから来週は控えようとか、体調管理でグルテンを控えているアスリートのご褒美にとか、『これがいい』と選んで喜んでもらえるととても嬉しいですね」
「Fraisier(フレジェ※苺のケーキ)」や「Framboise(フランボワーズ)」も、原材料に小麦粉を使わずに考案したケーキたち。
「『Fraisier(フレジェ※苺のケーキ)』には米粉を使って作られたビスキュイ(スポンジ生地)を使用しています。とてもしっとりとしていて、食べ応えも十分。小麦粉のスイーツを食べたときと同様の満足感を得られること間違いなしです」
「Fraisier(フレジェ※苺のケーキ)」650円。
「Framboise(フランボワーズ)」600円。
〈プチグリュ〉のスイーツで使用する米粉には、青森県産の「晴天の霹靂」をセレクト。「Chausson aux pommes(ショソン オ ポム ※紅玉のパイ)」や「Tarte tatin(タルトタタン)」は青森県産のりんごを、さらに自家製のジャムには八戸産の無農薬ラズベリー、他にも小麦粉や全粒粉、きび砂糖などにおいても青森県産の食材にこだわり、地元の生産者さんとの繋がりを大切にしながらスイーツを作っています。
青森県産のりんごを使用したスイーツ
(左)「Chausson aux pommes(ショソン オ ポム ※紅玉のパイ)」500円。
(右)「Tarte tatin(タルトタタン)」550円。
青森県産の全粒粉や小麦粉を使用したスイーツ
「Scone(スコーン)」310〜330円。
※スコーンの種類によって使用される原材料は変わります。
「青森県にはおいしいものがたくさんあります。今は八戸を中心に展開していますが、今後は青森のおいしさを詰め込んだスイーツを全国にも発送できるように力を入れているところです。後々は海外にも地元や青森の魅力を伝えていきたいので、それを意識してお店のロゴに“HACHINOHE”と入れているんですよ! スイーツを通して、世界中にも発信できるブランドに育てていきたいです」
ショーケースに並ぶどの商品も、工藤さんらしさが存分に詰め込まれた魅力的な品々でした。八戸から発信する、“青森県”と“スイーツの本場”をブレンドした商品は、自分へのご褒美にはもちろん、他県や海外の方へのギフトとしてもおすすめ。お店の他に、ECでの販売もしているので、ぜひのぞいてみて!