種差海岸駅から徒歩1分! 創業78年の〈松家〉で味わう八戸名物「海鮮ラーメン」【鮫町】

JR八戸線の種差海岸駅から芝生地に下る道を歩くこと約1分。広がる太平洋の海と天然芝生を目の前に、その地で78年続く食堂〈松家〉にお邪魔してきました。懐かしさと安心感で「帰ってきた」ような感覚になる〈松家〉で、地元の魅力を再確認してみませんか?

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麻婆豆腐

八戸市在住。好きなことは、食べること、寝ること、お笑い芸人のYouTubeを見ること。好きな食べ物は麻婆豆腐で、好きな犬の犬種はシーズーです。

八戸の名物グルメ「海鮮ラーメン」「磯ラーメン」。

太平洋に面する八戸市は、漁業が盛んな海のまち。市内の沿岸部には、その豊富な海の幸を生かした「海鮮ラーメン」や「磯ラーメン」を提供する店舗が多数存在します。

「海鮮ラーメン」とは、塩味のスープをベースに、店舗ごとにさまざまな素材の出汁を使用したラーメンです。使用している出汁やトッピングの具材が違うので、各店舗の個性を味わうことができます。

 

季節を問わず食べられる〈松家〉の「海鮮ラーメン」。

冬季は営業を休止している店舗もあるなか、今回お邪魔した〈松家〉では季節限定のものを一部除き、ほとんどのメニューを一年中提供しています。もちろん今回いただいた「海鮮ラーメン」も季節を問わず味わえます。

〈松家〉は、JR種差海岸駅と〈種差海岸インフォメーションセンター〉のちょうど中間の角地にあります。駅から降りて芝生地散策の前に食事をする方、また蕪島方面からトレッキングをして昼食に〈松家〉で食事をする方など、そのアクセスの良さから老若男女から愛されています。

青の看板と暖簾が目印。

インパクト大のこちらののぼり。オーナーの鶴飼さん曰く“生”うに丼バージョンもあるそう。生うにの時期以外は、うにを卵とじにした「うに丼卵とじ」を提供している。

入り口の暖簾をくぐり店内に入ると、昔懐かしい石油ストーブで店内が暖められていました。ぽわんとあたたかい空気に長居してしまいそうな予感。手前にはテーブル席と、奥にはゆったりとした小上がりのお座敷スペースがあります。2階は会食や法事スペースとしても使用可能。

なんだか落ち着く店内。小上がりのお座敷でお昼寝してみたい……。

テーブル席に着くと、スタッフの方が温かいお茶を出してくれました。温まりながら、メニュー表をチェック。そのなかから今回は「海鮮ラーメン」を注文しました。

すてきな畳の小上がり。ゆったりとくつろげそう。

 

うにやカニなど、常時6種類の魚介類を使用した「海鮮ラーメン」。

待つこと数分。注文した「海鮮ラーメン」が提供されました。

なんと、常時6種類の魚介類を使っているそうで、内容は「蒸しうに」「カニ」「アサリ」「わかめ」「めかぶ」「ふのり」。そして大事なアクセントとして「大葉」がのっています。

ビジュアルから“おいしい”が確定している「海鮮ラーメン」。某アーティストの曲が自然と脳内再生。まさに「ビジュイイじゃん」!

まずはレンゲで透き通ったスープをひと口。あっさりなのにコクがあっておいしい……! 口の中いっぱいに海鮮の旨みが広がります。

優しい煮干しの出汁が広がるスープに、大葉の爽やかさがアクセントになり、するすると食べ進められる一杯。具材もたっぷりで食べ応えのある「海鮮ラーメン」でした。

 

今年で78年目、観光地で3代続く〈松家〉。

1949年に創業した〈松家〉。先代が亡くなり、現在の3代目オーナーに代替わりしたのは5年前のこと。創業当時は現オーナーの祖父母が営業されていたそうで、現在はそのお孫さんにあたります。

来客数が季節ごとに大きく変動のある“観光地”で、飲食店を営む難しさを実感しつつも、試行錯誤しながら営業を続ける。そのおかげで、今私も取材ができていると考えると、感慨深い気持ちとなりました。

〈松家〉さんのメニューは丼物の注文、例えば生うに丼の注文であっても、一緒に煮魚やお刺身、汁物が付いてきます。オーナー曰く、その点が〈松家〉のこだわりだとか。そして、提供される料理のすべてが「手作り」です。

煮干しの頭をとっている様子を見せてくれた。

今回いただいた「海鮮ラーメン」でも使用されていた煮干し。頭と腹ワタの部分にえぐみがあるため、その部分を手作業で取るんだとか。1年間で使用する分を冬の間に仕込む。その量、大きな段ボール5つ分!

「手作り」と一言で話しますが、実際はそれを実現するためにこうやって地道に手間をかけているのです。なんでも「時短」「便利なものに代用」の時代だからこそ、これがどれだけすごいことかを感じます。

 

増加しているインバウンドの観光客への配慮も。

オーナーによると、インバウンドの観光客はここ数年で増加傾向とのこと。

八戸市蕪島をスタートし、福島県相馬市まで約1,000km続く「みちのく潮風トレイル」への注目度が海外からも上がっていることもあり、ヨーロッパやアメリカをはじめ、中国や韓国など、さまざまな国からの来訪が増えています。

オーナーはインバウンドの観光客への細やかな配慮も話してくれました。

「インバウンドのお客さんは『めかぶ』の“ネバネバ”が苦手なようで残すことが多いんです。だから、なるべく外国の方たちには『めかぶ』を抜いて、代わりのものを入れて提供して工夫しています」

なんというホスピタリティ。まさに日本人らしい「おもてなし」の精神です。

たくさんの場所からの観光客が増加するなか、オーナーは「県外や海外など遠くからだけじゃなく、もっと市内の人にも来てほしいです」と続けます。

「地元の方が来店された際『海の方は遠いからたまにしか来れない』とおっしゃっていたので、どこから来たのか尋ねるとそう遠くない八戸市内の『山側』からでした」

八戸市内にあり、車で行こうと思えば行ける距離だからこそ、なかなか“行かさらない”観光地・「種差海岸」。八戸市民あるあるなのかも。ドライブや、芝生地でのお散歩だけでなく、種差海岸の歴史ある食堂で地元の味覚を味わうのもたまにはいいかもしれません。

ちなみに、〈松家〉さんでは生ウニをつまみに瓶ビールを飲むことができます。その他、一品料理も多数提供。酒好きの方はJR八戸線、または種差海岸周遊バス「うみねこ号」の利用がおすすめです。

 

おわりに。

手間暇かけて歴史ある味を守り続ける。そのために閑散期である冬の時期は、このようにして営業の合間に仕込みの時間を取っているとのこと。

歴史の味を守る裏にある、地道な努力を見せてもらいました。

店内には種差海岸や地域に関する書籍が置いてある。料理を待つ間に読むことも可能。

たくさんの魚介の旨みが詰まった「海鮮ラーメン」、そして手作りのおいしさとその裏にある努力に感動しました。

これからもこの味が、永く、たくさんの人に愛され続けてほしいと願いながら店をあとにしました。

どこか懐かしさと安心感を感じる店内、そして手の込んだお料理。種差海岸を訪れた際は、〈松家〉に「帰ってきた」感覚で訪れてみてはいかがでしょうか。

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