角打ちも楽しめる〈八戸酒類蔵元直売所〉がオープン! エコでお買い得に日本酒を飲もう。【八日町】

八日町の酒蔵といえば〈八戸酒類〉。その〈八戸酒類蔵元直売所〉が表通りにオープンしました。歴史ある建物で、お買い物や試飲、角打ちなど、日本酒を存分に楽しむことができます。なんと〈八戸酒類〉のお酒をお買い得に購入できるサービスも。さっそく行ってきました!

writer
小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
Instagram|『海猫ふれんず』はこちら

2022年8月8日、八日町に〈八戸酒類蔵元直売所〉がオープンしました! 以前、『はちまち』でも紹介した〈青森自慢料理ほこるや〉が閉店し、その後店内をリニューアル。もともと八日町に酒蔵を持っている〈八戸酒類〉ですが、これからより広く、八鶴や如空を広めていきたいという思いのもと、〈蔵元直売所〉を始めることに。
大正13(1924)年に建てられ、1998年には国の登録有形文化財にも指定された建物は、非常に趣のある建物です。

ちなみにおすすめの時間帯は黄昏時。

日が暮れ、相手の顔も見えづらくなるほど外が薄暗くなってきた頃に〈蔵元直売所〉を訪れると、店内の灯りがこぼれ、大正モダンな外観がより一層壮麗さを増して佇んでいます。なんといっても1階上部にあるステンドグラスが美しい。

実は、建設された大正13年時点では、江戸時代に創業した〈河内屋〉(現・八戸酒類八鶴工場)の旧本社だったのだそう。長い長い時を経て、またこの建物に戻ってきました。

今回は、〈八戸酒類 蔵元直売所〉の楽しみ方を徹底公開! 観光でも地元の方でも楽しめますので、行ったことがある人もそうでない人も、必見です。

 

〈八戸酒類〉のお酒がたくさん! グッズやおつまみも販売中。

それでは店内を覗いてみましょう!
入ってすぐのカウンターテーブルには、秋季限定の「八鶴 ひやおろし純米酒」(1,320円)や「秋あかり 純米吟醸」(1,760円)など、おすすめ商品が並んでいます。その隣に堂々と並んでいるのは、〈蔵元直売所〉限定商品の「三島シトロン」と「三島バナナサイダー」(各160円)。

何が限定なのかというと、仕込み水が違うのです。「三島シトロン」は如空の仕込み水で、「三島バナナサイダー」は八鶴の仕込み水でつくられています。通常の両商品と飲み比べもしてみたいですね。

店内右手奥の冷蔵庫には〈八戸酒類〉のお酒が並んでいます。限定の「三島シトロン」「三島バナナサイダー」も冷えていました。

隣の棚には、お酒だけではなく、おつまみやオリジナルグッズも販売しています。

酒屋で買うおつまみに間違いはない。

なんといっても驚いたのは、「酒器あれこれ」。値段を見てくれ……。

ひとつ100円! マジで!! 

蛇の目猪口や盃、グラスタイプのおちょこなど、多種類のお猪口がよりどりみどり! 選びがいがあって困っちゃいますね。

 

0次会にどうぞ! 試飲や角打ちで蔵元直売所を楽しもう。

〈八戸酒類〉のお酒やグッズなどのお買い物以外にも、〈蔵元直売所〉を楽しむことができます。

まずはこちら。有料試飲が可能に! 季節ものを中心に、蔵の特徴が出ているお酒を入れ替わりで提供しています。
1カップ200円のものと300円のものがあり、300円の試飲酒は大吟醸などを用意しているそうです。

試飲方法は、飲みたいお酒の銘柄を決めたら、レジでお金を支払い、試飲用カップをもらいます。その後、試飲用マシンから自分で注ぎ、飲む! うまい!

現在、すでに8種類の日本酒が試飲可能に。1カップずつ購入して、飲み比べをするのも楽しそうです。

そして、〈蔵元直売所〉では、試飲以外にも“角打ち”ができます。

角打ちセット1,000円。

角打ちとは、酒屋の店内で一杯軽く立ち飲みすることをいいます。角打ちの由来は諸説ありますが、「升の角に口をつけて直接酒を飲むこと」が由来となっているそうです。

昔は樽に入った酒を、升で量り売りしていました。そこで、買った酒を待ちきれない人たちが、量った升を使ってその場で飲んでいたのだそう。それが、現在では酒屋で一杯飲むことに変化していったようです。

〈蔵元直売所〉の角打ちは、本日の角打ちリストからお酒を2杯選び、つまみもついて1,000円ぽっきり! 時間は17時〜19時の2時間のみとなっています。

場所は、カウンターでも飲めますが、半個室もご用意。

これからの季節は、年末に向け、宴会が増えそうです。ぜひ0次会に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

“マイボトル”を持ってお酒をもらおう!

最後に、私がみなさんにおすすめしたいのは、「蔵出し通い酒」!

今でこそエコ活動やSDGsが話題になっていますが、昔は酒でも醤油でもなんでも、自分の家から瓶を持って買いに行ったもの。いわゆる“マイ〇〇”は、昔から日本に根付いていた慣習なのです。

その慣習をもとに、社長のアイデアとして実現したのが「蔵出し通い酒」。日本酒の中身だけを買うことができるサービスです。

「蔵出し通い酒」のスタートセットとして、八戸酒類オリジナル瓶と保冷バッグを500円で購入します。瓶の中身は5つのグレードから選べ、店頭で買うよりも500〜600円ほど安く購入可能! 地球に優しくお買い得なんて、私、いろいろとエコです。

ちなみに瓶についている白い横線、何のことか分かりますか?

実はこちら、一合の目安の線なのだそう。「飲み過ぎには注意してね」というお客さんへ向けた優しいメッセージが隠されているのです。

飲み終わったら瓶を持って〈八戸酒類蔵元直売所〉へ。今日はなんのお酒を入れてもらおうか、なんて考えながら、ついでにおつまみも合わせて買っちゃったりして、今夜のおうち時間が優雅なること飲兵衛の如し……。控えめに言って最高です。

 

八日町の象徴へ。地元民にも観光客にも愛されるお店に。

今後の展望について「現在でこそ、雰囲気ある建物に惹かれ、観光客が多くいらしているようですが、地元の方にも気軽に立ち寄ってもらいたい」と語るのは、八鶴工場の田端さん。

そのためにも、現在のサービスの他に、〈蔵元直売所〉前の広場や2階のお座敷で、イベントやまちの企画で有効活用できないかと考えているようです。

長年、ファンから愛されてきた〈八戸酒類〉のお酒がより広く愛されるよう、また、八日町の象徴になれるように、これからも頑張っていきたいと、力強く語ってくださいました。

時代の流れが早く、次々と変化が求められるこの時代。そんな時代だからこそ、ずっと変わらないものがあることは、人々に安心感を与え、その土地らしさを与え、市民にとって非常に価値あるものになるのだと思います。

八日町には〈八戸酒類〉がある。

長年変わらず続いてきた〈八戸酒類〉の歴史は、八戸中心商店街にとって宝物のような存在に思えます。〈蔵元直売所〉によって、その宝物がもっともっと、たくさんの人に広まりますように。

そんなことを思いながら、「蔵出し通い酒」セット片手に、家路に着いたのでした。

公開日

まちのお店を知る

最近見たページ