八戸に出現! ネオンに誘われる香港風のサイバービアバー〈電脳麦酒猫猫〉。【六日町】

ここは八戸市中心市街地、六日町。通りを歩いていると、不意に視界を焼く〈電脳麦酒猫猫〉のネオンサイン。その光に導かれるまま足を進めると、そこに広がるのは香港の夜を切り取ったかのようなビアバーだった。気づけば手元には一杯のビール。そのビールが喉を通り抜ける頃には、思考は静かにこの空間に浸食されていた。

writer
こめさん

1995年生まれ。青森県八戸市出身。現在は、夢を探したり落としたり追いかけたりしながら転がり続けている。読書と気ままに絵を描くことが趣味。

思わず雰囲気に引っ張られた書き出しになってしまいましたが、それほどまでに強い世界観を持つお店なんです。その魅力、とことん紹介させていただきます!

六日町のバス停から徒歩1分。大嶋屋ビルの2階にあるのが〈電脳麦酒猫猫(でんのうばくしゅまおまお)〉です。

電脳麦酒猫猫_外観

大きな店名のネオンサイン。そして左上の窓に光るビールのネオン。

電脳麦酒猫猫_入口

ネオンに吸い込まれるように階段を上っていくと入口があります。

 

ここは八戸か、香港か、それとも――

扉を開けた瞬間空気が変わります。赤・緑・黄色に輝くネオンと剥き出しのダクト。雑多でありながらどこか整ったその空間は、サイバーパンクな香港のまち並みを思い起こさせます。

電脳麦酒猫猫_内観

カウンター10席、窓側カウンター2席、そのほか6名、5名、4名で座れるボックス席があります。

オーナーは、市内の総合修理メーカー〈ハード工業〉とクラフトビールを製造する〈カネク醸造〉を営む山形虎雄さん。
長年“ものづくり”に携わってきた経験を活かし、店舗設計においては自ら図面を引き、内装の細部までこだわりを注いでいます。

電脳麦酒猫猫_ボックス席

窓側のボックス席は、ほかの席から見えない位置にありデートにもぴったり!

カネク醸造のロゴマーク

カネク醸造のロゴマークの猫のネオン看板。店内のネオン看板は全て特注というこだわり。

電脳麦酒猫猫_インテリア

壁には麻雀牌の電飾が。

この香港っぽさ漂うお店はどのように生まれたのか。
きっかけは、山形さんがたまたま香港のまちを訪れた際にふと抱いた感覚にありました。

――『攻殻機動隊』みたいだな。

攻殻機動隊、お好きなんですか? と聞くと「めっちゃ好きっす」と笑顔の山形さん。

「市内には現在クラフトビール専門のバーがなくて、その空白を埋めたかった。また、カネク醸造は市中心部から離れた八戸市南郷にあるため、より日常的に集まれるタップルームを市街地につくりたいという長年の構想があったんです。たまたま訪れた香港の文化とまち並みに強いインスピレーションを受けて一気に話が進みました」と語ります。

電脳麦酒猫猫_インテリア2

香港を訪れた際の写真が飾られています。背面の電気配管、インテリアとして馴染んでいますが、このうちの一つは実際に電気ケーブルの目隠しに使用しているとか!

電脳麦酒猫猫_ガチョウの丸焼き

香港では店頭にぶら下がるガチョウの丸焼きが有名ですが、こちらにもぶら下がっていました。

店内は、現地から取り寄せた装飾品、タイル、ネオンが随所に散りばめられています。それでいて居心地の良さを感じるのは、過剰にならない絶妙なバランスで配置されているから。視覚的な刺激と落ち着きが同居する不思議な空間です。

 

アニメからのインスピレーションがてんこ盛り

電脳麦酒猫猫_ロゴ

〈電脳麦酒猫猫〉は、大好きなサイバーの“電脳”と“ビール”とカネク醸造のロゴの“猫”を掛け合わせたとのこと。
猫猫と連続にしたのは、語感のリズムや、某人気アニメの薬屋の主人公の名前と重なる親しみやすさを意識したそうで、ここでもアニメ好きが炸裂!!

店内の装飾の中には、ほかにもアニメ好きを感じさせるものが。
それは、トイレ上に飾られているピクセルアートの看板。こちらは山形さん自らが手がけたというからすごい!

電脳麦酒猫猫_インテリア4

ずっと見ていると絵柄が変化していきます! ポケットに入りそうな某モンスターの絵や、領域展開しそうなあのキャラクターの登場も。

BGMにはアニメソングが流れ、取材当日も、「これ何のアニメの曲だっけ? これ懐かし~!」と大変盛り上がり、いつの間にか話は横道へ。そこへちょうどビールとフードが運ばれてきました。
すでにお店の雰囲気に酔いながら、ここからビールとフードも楽しみます。

 

気軽に入り込めるクラフトビールの世界

今回は、オーナーのおすすめや個人的に気になるビールとそれに合うフードメニューをたくさんご紹介します!

「ヴァイツェン」ハーフと「フィッシュ&チップス」

「ヴァイツェン」ハーフ700円と、「フィッシュ&チップス」900円。

ヴァイツェンはドイツ発祥の小麦を使用したビール。バナナのようなフルーティーさがあり、苦味が全くなく飲みやすいのが特徴です。
このヴァイツェンの軽やかさが白身魚の優しい味を引き立てます。

「ラストコール」ハーフと「福田さん直伝餃子(3個)」

「ラストコール」ハーフ800円と、「福田さん直伝餃子(3個)」450円。

ラストコールは、カネク醸造の最新作のIPAビールです。ニュージーランド産のホップをたくさん使用しており、トロピカルフルーツやライム、白ワインが感じられる後味です。
肉厚でジューシーな餃子と合わせても味負けしません!

「ピーナツバター ミルクスタウト」ハーフ

「ピーナツバター ミルクスタウト」ハーフ900円。

こちらはピーナツバターを使った黒ビール。オーナーの山形さんがクラフトビールにはまったきっかけのビールなんだそう。口当たりはなめらかでナッツのコクが溶け込んだ重厚な味わいです。デザート感覚で楽しめるユニークなビールです。

「青菜の旨だれ」、「とろとろ中華風角煮」、「香港スパイス香るから揚げ」

上から右回りに、「青菜の旨だれ」450円、「とろとろ中華風角煮」800円、「香港スパイス香るから揚げ」600円。

フードメニューも充実しています。どれも不思議と重くなく、ビールとの相性も考えられたラインナップで、箸もグラスも止まりませんでした(笑)。

クラフトビールの虜になってしまった筆者は、まだまだ飲みます(笑)。

「スポットライト」ハーフ、「ネオン ポウズ」パイント、「ヘイジー アイピーエー」ハーフ

左から「スポットライト」ハーフ800円、「ネオン ポウズ」パイント1,250円、「ヘイジー アイピーエー」ハーフ800円。

このようにセゾンやヘイジーIPAといった多彩なスタイルも。
写真の真ん中にドドーンとあるのがパイントサイズ。473mlと、一般的な中ジョッキサイズより少し大きいようです。
ほかにも、香港のブルワリーとコラボした「ミッドナイトプロトコル」という電脳感マシマシな商品も!

カネク醸造で製造しているビールには、ストーリーがあるものもあり、そちらを読みながらビールを楽しむのも面白いです。気になる方はカネク醸造のインスタをご覧ください。

カネク醸造のこれまでのビールのパッケージ

メニュー表には、カネク醸造のこれまでのビールのパッケージが。

 

香港の空気ごと持ち帰ったこだわりメニュー

カウンターに並べられていて気になっていたものを二つご紹介します。

「香港式ホットミルクティ」800円。オーナーが香港で買ってきたというかわいらしいカップで出てきます。

香港で使われているエバミルクを使用したミルクティー。コクが強く奥深い甘さで、食後のお腹をじんわりと温めてくれました。

香港の出前一丁

こちらはカウンターの上にたくさん並べられていて気になっていたので聞いてみたら見せてくれました。

出前一丁って日本のインスタントラーメンですけど、見たことない種類もありますね。

「香港で朝食を食べたときに出前一丁が出てきたんです。向こうでは流行っているようでどこのお店でも出てきます」と山形さん。

なんでも、香港ではローカルフードとして親しまれており、そのフレーバーは30種類以上とのこと。ここ〈電脳麦酒猫猫〉では、オーナーが現地で買い付けた珍しいフレーバーを楽しめます。

せっかくなので、山形オーナーが個人的にお好きだというフレーバーを頼んでみました!

香港で買ってきた出前一丁

「香港で買ってきた出前一丁」1,100円。フレーバーは、オーナーおすすめの「焦がしニンニク入り風味(黒)」。

麺は食べ慣れた中細の縮れ麺で、どこか懐かしさのある食感。このフレーバーは濃いめのガツンとした味わいでした。

 

八戸でカジュアルにクラフトビールを。気づけばその虜に――

今後は香港のローカルフード、屋台飯をイメージした新メニューや、お店のグッズを増やしていく他、音楽イベントの開催も検討しているとのこと。
また、夏には、ビール製造に使用しているグレープフルーツの余った部分を使用したシェイクも提供予定とのことで、今からめちゃくちゃ楽しみですね。

〈電脳麦酒猫猫〉のグラフィックTシャツ

店内で販売している電脳感漂う〈電脳麦酒猫猫〉のグラフィックTシャツ。

電脳麦酒猫猫のコースター

ドリンクを頼むと出てくるコースター。これも山形オーナーが自らデザインしたそう。記念に持って帰る方もいるのだとか。

「ビアバーというとハードルが高いと感じるお客さんもいるかもしれないが、構えないでカジュアルに楽しんでほしい」と山形オーナー。
注文の際に、クラフトビール初心者におすすめのビールや好みの味のビールを尋ねると、スタッフの方が丁寧に教えてくれるので初心者でも安心です。

電脳麦酒猫猫のスタッフの方々

中央がオーナーの山形さん。写真から伝わるように、スタッフのみなさん含め和気あいあいと楽しい雰囲気のなかで取材させていただきました。メニューについて分からないことはぜひ気軽に聞いてみてください!

ネオンと慣れ親しんだBGMに包まれながらグラスを傾ける時間。そのなかで、気づけばあなたの輪郭はこの空間に静かに溶けていくことでしょう。
八戸の夜に現れたこの場所で、あなたも一杯のビールから新しい楽しみ方に触れてみてはいかがでしょうか。

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