〈蔵の酒 みろくや〉のおすすめのお酒3選。シンプルなうまさをあなたへ! 

八戸市青葉の大きな三角屋根の酒屋〈蔵の酒 みろくや〉。人工的な力に頼りすぎない、自然の力で生み出されたお酒を取り扱っています。どちらもおいしいお酒だけれど、作り手や生産地の風土、個性を知った上で飲むと、一層深く、お酒を楽しめますよね。これからお酒の楽しみ方を知りたい方はぜひ〈みろくや〉へ!

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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八戸市青葉に店をかまえる〈蔵の酒 みろくや〉。大きな三角屋根が特徴的な地域の酒屋さんです。

もともと、八戸市内丸で〈美濃部酒店〉として営業していましたが、当時は業務酒販店で、ビールをメインに限られた種類のお酒のみを取り扱っていたといいます。10年ほど前、手狭になってきたことや、一般の人にも広く販売していきたいという思いから、移転を決意。現在は、“お酒を選ぶ楽しさ”を味わえるお店をコンセプトに、同店を営んでいます。

〈みろくや〉では、日本酒とワインをメインに、多様なお酒を取り揃えています。

お酒が立ち並ぶ店内に、大きな窓がついたドアを発見。覗いてみましたが、どうやら棚にワインが陳列されている……? 思い切って中に入ってみます!

ドアを開くとそこには……大量のワインが! ひょえ〜〜〜! 一体何本あるの!?

そう、ここは〈みろくや〉のワイン庫。一般のお客さんも中に入って、ワインを選ぶことができます。

 

試飲会でワインの虜に! 自然の恵みが生み出す感動たるや。

〈みろくや〉の店主である高松博司さんがワインに惹かれるようになったのは、ワインの輸入業者の試飲会に参加したときのこと。それまで飲んできたものとは、果実のうまみの感じ方がまったく異なり、そのおいしさに感動したのだそう! 

そのとき高松さんが飲んだワインは、いわゆる“ナチュラルワイン”と呼ばれるカテゴリのもの。自然派ワインと呼ばれることもあるそうです。

ナチュラルワインとは、畑での栽培時や醸造時に、化学肥料や薬品をほとんど使わずに、限りなく自然の力でつくられたワインのこと。果実本来のうまみが感じられる、味わい豊かなワインになったり、その土地や作り手の個性を感じられたりするのが特徴です。

コロナ禍に入る前までは、飲食店や輸入業者の仲間と自然派ワインのイベント『ボン・ナチュール』も開催したそうです。次回開催されたら行ってみたい!

ナチュラルワインは一般的に大量生産されているワインより手間がかかっていますから、比較的高価だったり、品質にばらつきが出たりすることもあります。しかし、そのなかで本当においしいワインと出合えたときの感動の大きさたるや! ひとつなぎの大秘宝を見つけたくらいの喜びといってもいいくらいですよね!

そんなナチュラルワインに心奪われた高松さんは、もっと深く追求したい! という思いのもと、移転時にワイン庫を設けたのだそう。今では何種類あるのか、数えるのも恐ろしい(笑)ほどのワインを集め、日々勉強を重ねています。

 

シンプルな力で作られた、シンプルなうまみのお酒を知ってほしい。

そうしてワインを学んでいくうちに、日本酒も同じような視点で楽しむようになったという高松さん。日本酒を選ぶときも、よりシンプルなつくりで、自然の力から生まれた酒を取り扱うようにしています。

また〈みろくや〉ではシンプルな酒に合う、できるだけ添加物のないおつまみを取り揃えています。酒の魅力を手助けするためのおつまみとして、違和感のないよう、むしろ相乗効果が生まれるようなつまみをセレクトしています。

特におすすめしているのは、八戸市豊崎に店をかまえる〈アテな惣菜 すずめさん〉。こちらの惣菜が、〈みろくや〉で取り扱っているお酒とめちゃくちゃ合うのだとか! ぜひ試してみては?

 

〈みろくや〉おすすめ、年始に飲むお酒3選を紹介!

ここからは〈みろくや〉おすすめのお酒を3つ、紹介していきます。年始は新酒の時期でもありますので、新酒もセレクトに入っています!

〈松瀬酒造〉の「松の司 純米吟醸 あらばしり」(2,200円)。

滋賀県に蔵を持つ〈松瀬酒造〉では、毎年末に、こちらの「あらばしり」を最初の清酒としてリリースするそうです。数量限定の季節商品でもありますので、ぜひ今、このタイミングで飲んでいただきたい!

通常商品の純米吟醸のバランス感は保ちながらも、青リンゴなどの果実のうまさを思わせるような、フレッシュな味わいが口の中に染み渡ります。後味の雑味も少なく、体に素直に入っていくようなシンプルさのある一本です。

次に紹介するのは、〈水戸部酒造〉の「山形正宗 純米吟醸 うすにごり」(1,980円)。

酒造好適米と呼ばれる、日本酒作りのためだけに栽培された米種である山形県産「出羽燦々」を、さらに50%まで磨き、長期低温発酵した純米吟醸「うすにごり」。うっすら澱が絡まっており、白くにごった酒と、金ピカのラベルは、なんとも縁起が良く、年末にぴったりです。

「甘さと酸のバランスが絶妙で、まるでカルピスのようなおいしさは、今期のお酒で1位、2位を争うほどのうまさです!」 と高松さんは語ります。

〈水戸部酒造〉のお酒はすべて純米づくり。一般的な日本酒作りで添加される醸造用アルコールを使用しておらず、自然本来の豊かな味わいを楽しめるお酒を醸造しています。さらに、日本酒作りの伝統的な技法「槽(ふね)しぼり」を用いており、優しい圧力でもろみが絞られ、より自然で雑味のない味わいを得ることができるのだとか。

まさしく、〈みろくや〉の求める“シンプルなうまさ”が凝縮された一本です。どんな料理にも合う「うすにごり」は、ぜひワイングラスに入れて、食中酒としてお楽しみください。

最後に紹介するのは、ピエール=オリヴィエ・ボノーム氏の「ヴァンクゥール・ヴァンキュ・ロゼ2022」(3,410円)。

ピンクグレープフルーツやアセロラのような甘酸っぱくて爽やかな味で、フルーティさが楽しめる「ヴァンクゥール・ヴァンキュ・ロゼ2022」。色味が薄ピンクなこともあり、キュートな印象を持ちますが、アルコールもそこまで強く感じることがなく、飲むだけでなんだかハッピーになれるという一本です。

こちらのワインの生産者であるボノーム氏は、まさに高松さんが惚れ込んだ自然派ワインの生産者であるティエリ・ピュズラの弟子にあたる人物なのだそう。バックストーリーを知ることができると、そのお酒をより楽しむことができますよね。詳細が気になる方はぜひ〈みろくや〉でお話を伺ってみては?

ワインは妻の高松明日子(めいこ)さんが、日本酒は高松博司さんがつくっているというタグも非常にかわいいです。

売り手ではあるが、飲み手でもあるという高松さん。どうしたらおいしくお酒を楽しめるか、日々ご夫婦で楽しみながら研究しているといいます。

「これから日本酒やワインに挑戦してみようという人に、ぜひ来てほしいです。相談に乗りながら、お酒のおいしさや、お酒を楽しむ面白さを伝えていけたら」

お酒初心者にこそ訪れてほしい〈みろくや〉。酒選びに困っている方は、ぜひ同店へ足を運んでみてください。

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