〈かわいいアロマひつじや〉のアロマテラピーで、心も体もリラックス。【十三日町】

「アロマテラピー」という言葉はよく聞きますが、一体それが何なのか、詳しくは知りませんでした。いい匂いを嗅いでリラックスするものだと思っていたのですが、それだけではありませんでした。自分の気持ちにあった香りを、〈かわいいアロマひつじや〉でつくってもらいませんか。

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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アロマテラピーのお店〈かわいいアロマひつじや〉は、〈ドトールコーヒーショップ 八戸十三日町店〉が入るテナントビル「フラワーエイトビル」の3階にあります。

エレベーターで3階まであがったら、左手に曲がって、ひとつめの角を右手に。

突き当たり左手のドアに〈かわいいアロマひつじや〉の看板が。イメージキャラクターのひつじちゃんが、私たちを迎えてくれます。

 

アロマテラピーってなんだろう? 植物の香りで心と体をリフレッシュ。

ドアを開けると、オーナーの小松美央さんが優しく出迎えてくれました。店内は優しいアロマの香りが充満しており、どことなく肩の力が抜けたような感覚に。ビルとは全く異なる空間に足を踏み入れたようです。

アロマテラピーとは、名前はなんとなく聞いたことがあるものの、実際にどのようなことをするのでしょうか?

「アロマテラピー」という言葉はフランス語由来。「アロマ」は香り、「テラピー」はセラピーの意味で、アロマテラピーを直訳すると「香りの癒し療法」となります。ただし、香りならなんでもいいのではなく、植物の香りに限られるのだそう。アロマテラピーとはすなわち、植物の香りで心と体を整える自然療法のことをいいます。

アロマテラピーでは、「精油」と呼ばれる植物から抽出した香り成分を用います。ドラッグストアなどでは「アロマオイル」や「エッセンシャルオイル」という名前で売られていることも。

小松さんの精油たち。

抽出方法は、皮を絞ったり、蒸し器に入れて水蒸気から香りを抽出したり、熱に弱いものは油や有機溶剤に染み込ませたりとさまざまです。

精油は100%天然のものなので、おうち時間でも実際に自然の風景を感じることができるのが、アロマテラピーの魅力のひとつです。匂いを嗅ぐだけで、まるで森の中にいるかのような気持ちになれます。同じように、地元を離れている人にとっても地元特有の精油があれば、遠く離れていても地元を感じることができますね。

 

においは脳で嗅いでいる!? アロマの即効性が高い理由。

アロマテラピーは匂いを楽しむだけではなく、油で薄めてセルフマッサージに使用したり、化粧品にしたりすることでも楽しむことができます。
ですが、なぜ私たちはアロマの匂いを嗅ぐと、簡単にリラックスできたり、心地よく感じることができるのでしょうか?

「匂いは鼻で嗅いでいるのではなく、脳で嗅いでいるんです」と小松さん。

オーナーの小松美央さん。

脳みそは大きく分けて「考える部分」と「感じる部分」に分けられます。

嗅いだ匂いが最初に伝わるのは「感じる部分」のほう。食欲や睡眠欲といった本能的な行動や、喜怒哀楽などの感情を司っている場所です。アロマテラピーを用いることで、気持ちがスムーズに変わりやすいのは、大脳辺縁系に一番最初に届くからなのだそう。
その後、生命活動に関する重要な役割を持つ部分に伝わっていき、体温・睡眠・呼吸などの自律機能の調整や、免疫系、ホルモン分泌のコントロールなどに働きかけていきます。

つまり、匂いは体の生死に直接的に関わるため、体の反応も早くなると言われています。

香りごとに効果が示されていることの多いアロマテラピーですが、重要なのは自分が心地よいと思えるかどうか。
今の体にとって必要なものかどうかは、脳が本能的に判断してくれます。提示される効果は目安程度に考え、自分の感じ方を第一に選ぶことが重要です。

 

〈かわいいアロマひつじや〉でアロマテラピーを楽しもう。

ここからは、〈かわいいアロマひつじや〉でアロマテラピーを楽しむメニューを紹介します。完全予約制なので、来店を希望される方は早めにご連絡を。

まずは、自分にぴったりなアロマを調合してもらえる香りのコンサルティングサービス「じぶんアロマ」。

カルテシートに自分の性質や体調などを記入し、そこから小松さんとお話ししながら自分だけのアロマをつくってもらうことができます。

スプレータイプで1,500円。他にもスティックタイプやクリームタイプなどでつくってもらうこともできます。ギフトやノベルティにもおすすめ。

つくってもらったアロマを使用して、店内で「アロマトリートメント」を受けることも可能です。アロマトリートメントとは、マッサージのようなイメージなのですが、マッサージと違って筋肉をほぐすことが目的ではなく、リンパや血管に働きかけながらアロマの力を使いながら心と体をほぐしていくことが目的です。

コースメニューは、施術時間70分の「ふんわりコース」5,200円、施術時間100分の「ゆったりコース」6,300円。手軽に体験してみたいという方は、「てとあしのアロマコース」3,650円をおすすめします。

他にも出張講座を実施しており、コロナ前はイベントも開催していました。

コロナ前まで毎年開催していた『アロマフェア八戸』では、アロマ関係者だけではなく、八戸近郊のハーブティー屋さんやラベンダー屋さん、お花屋さんやスパイス雑貨屋さん、漢方屋さんなど、香りにまつわる事業をされている方が集まっていたそうです。

今後チャレンジしてみたいことは、まちの人たちが香りで気分をリフレッシュできるような機会を増やしていくこと。

毎月第2・4土曜日に八戸ニューポートで開催している講座『アロマのとびら』の様子。「物語と香り」をテーマに、ひとつの精油を取り上げて、そのエピソードとクラフトを楽しむ講座です。参加費1,200円。気になる方はぜひお問い合わせを!

中心街には学生時代の頃の、にぎやかな思い出があるという小松さん。自分もその一助となれたらと思い、2014年に〈八戸ポータルミュージアムはっち〉内のものづくりスタジオで開業しました。その思いは今も変わらず、お客さんにお店に来てもらうだけでなく、イベントや教室でいろんなところでアロマテラピーを広めていきたいそうです。

「『アロマフェアin八戸』も、そろそろ再開したいねぇ」と小松さん。再開を心待ちにしています!!

 

新生活が始まる今の時期におすすめの香りは?

小松さんに今の時期にぴったりな香りがないか聞いてみました! 4月のこの時期におすすめの香りは、ずばり「ベルガモット」。

右端のカードがベルガモット。

ベルガモットは、アールグレイティーの香りづけに使用されているのだそう。オレンジの香りに似ていますが、お花や葉っぱの匂いもするエレガントな柑橘系の香りです。

実はアロマテラピーの香りには、成分表があり、どんな性質の匂い成分がどれくらい入っているかが記載されています。

ベルガモットはミカン科の植物なので、柑橘系に共通の匂い成分が入っています。それは鳥や動物たちにタネを持っていってもらえるようなおいしい匂いなのですが、人間にとっては食欲増進、血行促進などのほか、眠気を覚まし、頭をすっきりさせることが期待されているのだそう。

柑橘系の植物には、この成分が9割近く含まれていることが多いそうですが、ベルガモットには3割から半分程度しか含まれていません。

残りの約半分は、ラベンダーに含まれるようなリラックスするお花の匂いが含まれています。虫たちに「ここに蜜がありますよ〜」と呼びかけて引き寄せるような匂いで、人間に対しても気持ちがふわふわとして眠たくなるような効果が期待されているのです。

柑橘系のさっぱりするリフレッシュな香りと、ラベンダー系の優しくてふんわりとリラックスするような香りが半分ずつ入っているベルガモットは、気持ちのバランスをとってくれるといわれています。

そっと背中を押してくれるような、優しく寄り添ってくれるような香りは新しいことが始まるこの季節にぴったり。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

 

アロマは羊? 大切なものは目に見えない。

〈かわいいアロマひつじや〉の店名の由来は小松さんの名前なのだそう。美央さんの「美」は、羊が大きいと書くため、羊をモチーフにするアイディアが最初に浮かびました。

さらに、白くてもこもこのフォルムや夜眠るときに羊を数えるなど、おやすみのイメージがある羊は、アロマテラピーとリラックスのイメージにちょうどよかったのだとか。

店内にはたくさんの羊グッズが。癒される……。

また、好きな本に羊がたくさん出てくることも、店のモチーフに使用しようと思ったきっかけのひとつだといいます。

「アロマテラピーは『星の王子さま』に出てくる羊みたいだなと思います」と小松さん。

店内にも置いてある『星の王子さま』。

『星の王子さま』の二章では、サハラ砂漠に不時着した“ぼく”が、王子さまと出会い、突然羊の絵を描いてほしいとせがまれます。絵に自信がなかった“ぼく”ですが、王子さまの勢いに押され何枚か描いてあげます。しかし、王子さまは納得してくれません。
投げやりになった“ぼく”は、穴の空いた箱の絵を見せて、王子さまの欲しがっている羊はその中にいると言います。王子さまはたいそう喜んで、穴を覗き込んで、羊を眺めているのでした。

 

「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」
「かんじんなことは、目に見えない」と、王子さまは、忘れないようにくりかえしました。

ーー岩波少年文庫『星の王子さま』サン=テグジュペリ著、 内藤 濯訳

 

大切なものは目に見えない。アロマテラピーも同じなのかもしれません。

体が本当に大切にしたいこと、必要としているものは目に見えません。ましてや他人がわかるものでもありません。

しかし、香りを感じることで、体が必要としているものが何なのかあなたにはわかるはず。

王子さまにとっての羊の箱のように、アロマテラピーは体にとって本当に大切なものが入っています。それは目に見えないけれど、あなたにだけわかる宝物なのです。

忙しい季節になると、ついつい目の前のタスクに追われてしまいがちです。そんなときこそ、〈かわいいアロマひつじや〉のアロマでひと息つきませんか。
あなたにとって、本当に大切なものが何か、気づくことができるかもしれません。

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