



プロと一緒に実践! 『ライター養成講座』開催レポート
2025年7月、『はちまち』では、魅力あふれる八戸のまちや人・店舗を取材し、記事として発信するためのノウハウを学ぶ『ライター養成講座』を、全3回にわたって開講しました。『はちまち』編集長であり、プロのライターでもある栗本千尋(くりもとちひろ)さんの指導のもと、10人のライターのたまごたちが参加。座学で取材や執筆の基礎を学んでから、取材・執筆を実践し、栗本さんからフィードバックを受けるという、『はちまち』初の実践型講座となりました。その講座の様子を一部ご紹介いたします!

「まちを伝える」って? 10人の挑戦がはじまりました。
2025年7月5日(土)、青森県八戸市にある〈コワーキングスペース&カフェ エスタシオン〉の大会議室に、『はちまち』編集長・栗本千尋さんのもと、10人のメンバーが集まりました。『はちまち』が初めて主催する『ライター養成講座』の参加者のみなさんです。
メンバーは、20〜50代の大学生や社会人、主婦の方までとさまざま。なかにはライター経験のある方もいらっしゃいましたが、ほとんどが未経験者です。今回は座学だけでなく、実際に取材や執筆を行う実践型の講座ということもあり、みなさん少し緊張した様子。それでも「挑戦してみたい」という前向きな気持ちがとても印象的でした。
初日の講座では、「まちを伝える」際にライターとして心がけたいことや、読みやすい原稿を書くためのポイントを栗本さんからじっくり学びました。
午前と午後を通して基礎をしっかり身につけたあとは、翌週に控えた取材に向けて準備をスタート。グループにわかれて、取材先のリサーチやスケジュールの調整を行います。この日の山場は、取材先へのアポイントの取得。今回は、お店に直接電話をかけ、取材許可を得るところまで、参加者のみなさん自身で挑戦していただきました。
なかには「電話が苦手」という声も。実はスタッフも電話はあまり得意ではありません。アポ取りは毎回緊張するものです。でも大丈夫。まずは「なぜ電話をかけたのか」「何を知りたいのか」といった目的を整理し、誠意をもって伝えることが大切です。
緊張しながらも、丁寧に準備を重ねた参加者のみなさんは、しっかりとリサーチした内容をもとに、無事お店の方と取材の約束をすることができました。講座1日目、お疲れさまでした!
聞いて、見て、感じて書く! まちで挑む取材デビュー。
翌週は、種差グループ、朝市周辺グループ、そして2つの中心街グループと、計4つのグループにわかれて取材を進めていきました。
取材先の代表や店長にじっくりとインタビューできた方、施設スタッフに普段の来館者の様子を質問できた方もいれば、臨時休業によって急きょ取材先が変更になるというトラブルに見舞われながらも、新たなお店に興味を持ち、前向きに取り組んでくださった方もいらっしゃいました。
取材は時折、取材先の都合によって予定通りに進まなかったり、急な変更が生じたりすることもあります。そんななかでも、臨機応変に対応してくださったみなさんの姿には、頼もしさと、ライターとしての強い意志を感じました。お忙しいなかご対応くださった取材先のみなさま、諦めずに取材を最後までやりきってくださった参加者のみなさま本当にありがとうございました。
取材とは、インタビューをすることだけを指すのではありません。記事に使用する写真を撮影したり、スタッフの方に質問してみたり、掲示物や展示、売り物、食事などから感じたことやこだわりを見つけるのも、取材の大切な要素です。
とはいえ、初めての取材でそれらすべてを一人でこなすのは簡単なことではありません。同じグループのメンバーと力を合わせて、撮影や録音の役割を分担したり、「これ、素材になりそう!」と思ったものを見つけたら声をかけて共有したりと、みなさん協力しあいながら取材を進めてくださいました。
なかには、自分の担当ではない場面でも、興味を持って話を聞き、ついつい質問を投げかける姿も。異なる視点からの問いかけが話を広げたり、新たな話題を引き出すきっかけになったりすることもあります。まさにナイスアシストでした!
それぞれが達成感や緊張感を味わい、課題を見つけたであろう取材の実践。それでも10人全員が無事に取材を終えることができました! さて、次はいよいよ執筆作業です。初日の講座で学んだ内容をもとに、みなさんには約1週間かけて、2000〜2500字程度の取材原稿を執筆していただきます。ここからが正念場でもありますね! がんばりましょう……!
書いて学んでまた一歩! プロからのフィードバックにドキドキ。
7月26日(土)。この日は、参加者のみなさんが執筆した原稿を、プロのライターである栗本さんが編集し、フィードバックを行う日です。自分の書いた文章をプロに添削してもらえる機会は、なかなかありません……!
構成の考え方、より面白く・読みやすくするための展開の工夫など、それぞれに合わせたアドバイスを受けながら、修正のポイントを学んでいきます。最後には、栗本さんから『ライター養成講座』の修了証が一人ひとりに授与されました。
無事取材を終え記事を書き上げてくださったみなさんには『ライター養成講座』修了証の授与が!
講座の締めくくりには、グループごとに取材を振り返り、全体で学びを共有しました。取材先が施設、店舗、人物など多岐にわたったからこそ、それぞれ異なる気づきや視点がありましたが、一方で共通の悩みも見えてきました。
取材後のアンケートで多く挙がったのは、「取材中、相手からどんな話を引き出せばよいか悩んだ」「記事のイメージが定まらないまま取材に臨んでしまった」「準備していた質問が尽きてしまい、会話が止まってしまった」など、取材の難しさに関する声でした。同じような壁に直面した方が多かったことがうかがえます。
それでもグループワークのなかでは、「事前に取材先のSNSを見ておけばよかった」「もっと相手について調べておけば話が途切れないかも」「どんな記事にしたいかをあらかじめイメージしておくとよいかも」という声が。次につながる前向きな意見や気づきが数多く交わされており、取材の難しさを乗り越える、充実したグループワークが行われていたのではないでしょうか。
講師を務めてくださった『はちまち』編集長の栗本千尋さん。最後の講評の様子。
学びを力に、次の一歩へ。
参加者のみなさま、3回にわたる『ライター養成講座』本当にお疲れさまでした!
うれしいことに、アンケートでは「今後、ライター活動をしてみたい!」「ライターを続けたい!」という声が多く寄せられ、「機会があれば挑戦したい」という方を含めると、なんと100%という結果に! 八戸や地域の魅力を発信できる人材が増えたことを、とても頼もしく感じています。
みなさんの気づきや、充実したグループワークから生まれた学びは、私たち『はちまち』編集室にとっても大きな刺激となりました。
初めての開催で、至らぬ点やご不便をおかけしてしまったことも多く、大変申し訳ありません。それでも最後まで講座に一生懸命取り組んでくださり、本当にありがとうございました。
今回の講座での学びが、みなさまの今後のライター活動はもちろん、さまざまな場面で活かされることを、スタッフ一同、心より願っております。
さて、『はちまち』主催『ライター養成講座』にご参加いただいた10名のみなさんによる記事は、なんとこれから数カ月にわたって『はちまち』で順次掲載されていきます!
ほとんどの方がライター未経験ながら、講座を通して取材・執筆にしっかり取り組み、魅力あふれる記事を仕上げてくれました。それぞれの視点で切り取られた八戸のまちや人、お店のストーリーを、どうぞお楽しみに!