世界基準のコーヒーを楽しもう! 地域に愛される小さな“レストラン”〈AMBER COFFEE〉。

2016年に小中野にオープンした〈AMBER COFFEE〉。八戸のおいしいコーヒー屋さんランキングがあるならば、トップ3に入ること間違いなし。それもそのはず。店主の佐々木さんは、コーヒー唯一の国際資格を持っているのです! 極上なのはコーヒーのみならず、食事もスイーツもすばらしいクオリティ。ぜひ同店でスペシャルな時間を過ごしてみては?

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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徹底した数値管理で、極上のコーヒーを。

2016年5月に〈八戸市立小中野小学校〉の通り沿いにオープンした小さなカフェ〈AMBER COFFEE〉。 

「おいしいコーヒーが飲みたいんだけど、おすすめの店はある?」と聞かれたら、筆者は必ず〈AMBER COFFEE〉をおすすめしています。なぜならば、同店のコーヒーを飲んで、「人生で一番おいしいコーヒーを飲んだ」と、つい家族に話をしてしまったくらい、おいしいと感じたからです。コーヒーへのこだわりもまさに世界基準。

店主の佐々木祐季さんは、コーヒー界唯一の国際資格「Qグレーダー」を持っています。「Qグレーダー」には2種類の資格があり、「Qアラビカグレーダー」は国内で約300人、「Qロブスタグレーダー」は国内で約20人しか持っている人がいないというほど最難関の資格! 佐々木さんはなんとどちらも所持! 八戸にはすごい人がいるもんだァ!

そんなすごい能力をお持ちの佐々木さんの右腕となっているのがこちらの焙煎機。

でかい! 私が初めてこのマシンを見たときは「新しいタイプの薪ストーブかな?」と思ったものですが、こちらはコーヒーの世界大会でも使用されているものと同じタイプの焙煎機なのだそう。

佐々木さんが理想とするコーヒーを提供するためには、厳しく生豆を選んだのちに、豆の状態に合わせて焙煎していくことが必要です。コーヒー豆も農作物ですから、年によって豆の状態や味が異なります。豆の状態が違っても、常に同じ質でコーヒーを提供するためには、焙煎時間や温度などの正確な数値のコントロールが重要になってくるのです。

それを実現できるのがこちらの焙煎機! 数値での客観的な管理と、味覚という主観を合わせて、味をコントロールしています。目に見える過去のデータも活用しながら、自身の経験を踏まえて〈AMBER COFFEE〉理想のコーヒーづくりへと邁進されているのですね。

世界基準のコーヒーを前に、コーヒー通でもない私が語るのは恥ずかしさもありますが……、〈AMBER COFFEE〉のコーヒーは、苦いだけではありません。一口飲むだけで、コーヒーらしい苦味の中にどこか甘さがあるような、コーヒーの奥行きを感じることができます。今までのコーヒーの常識が覆ってしまうおいしさが、口の中、いえ身体の中で広がっていくのです。何言ってるかわからないよという方は、ぜひ一度お店に足を運んでください! 

 

 

コーヒーはおまけ!? 食事も本格的な〈AMBER COFFEE〉。

実は、同店のコンセプトは「コーヒーもおいしいレストラン」。え? コーヒー“も”??

コーヒー豆やドリップバッグを買うこともできます。

〈AMBER COFFEE〉というと、本格的なコーヒーがメインのイメージがありますが、実はお食事やスイーツがメインで、さらに本格的なコーヒーが楽しめますよ、というコンセプトなのだそう! 知らなかった!

今回は「スパゲッティ アラビアータ」をいただきます。好きな飲み物が選べるフードドリンクセットで1,650円、スイーツと飲み物が選べるフルセットで2,300円です。

あの、匂いが、最高に、良い……、食べる前から、うまい……(感涙)!

アラビアータとはイタリア語で「怒りんぼう」の意味。一般的なアラビアータは、唐辛子のピリリとしたからさと香ばしいニンニクの風味がきいたものになっていますが、〈AMBER COFFEE〉のアラビアータは一味違います。

同店のアラビアータには、シナモン、クミン、八角や山椒といった6種類のスパイスが配合されており、イタリア料理のはずのアラビアータが、アジアンテイストな料理へと大変身。運ばれてきた途端にただようスパイスの甘い香りが食欲をそそります。

自家製のパンチェッタからにじみ出る豚肉の甘味も相まって、辛いというよりも、スパイスのアクセントがよく効いたクセになってしまう味わいです。

しかも、不思議なことに時間が経つにつれて甘さも感じられました! 食べながら味わいが変化していくのも面白く、量・質ともに大満足の一皿です。

さらに、スイーツの「エスプレッソカラメルソースのブリュレ」もいただきます。スペシャルティコーヒーとのセットで1,300円。

ぷるぷるでやわらかく、滑らかで舌触りが良いブリュレ。牛乳の脂肪分と卵黄のバランスをとることで舌触りをコントロールしているのだとか。カラメル部分は、特製のエスプレッソ。少しずつかけて食べることで、ブリュレの甘さとエスプレッソのコク深い苦味をじっくり味わうことができるのです。大人な楽しみ方ですね、ドキドキしちゃう!

ちなみに、エスプレッソはそのまま飲んでもOK! 底の部分に砂糖が溜まっていますので、優しく回すことで砂糖がよく混ざります。〈AMBER COFFEE〉のエスプレッソは、苦いのにまろやかでコクがあり、甘さを苦味でコーティングしている上品なビターチョコのような味わいでした。エスプレッソというと、ただただ苦くて、濃くて、ちょっとしか飲まないものだと思っていたのですが、それは間違いだったようです。牛乳も出してもらえますので、遠慮なくスタッフさんに声をかけてみてください。

カフェラテやカプチーノ、カフェモカを注文すると、ラテアートでの提供もしてくれます。ラテアートに使うコーヒーマシンも、先ほどの焙煎機同様にこだわってセレクト。コーヒーの粉やお湯の量を0.1g単位でのコントロールが可能なものなのだとか! そんな高性能なマシンを使用しながらも、ラテアートに必要な蒸気で温めたスチームミルクや、蒸気で泡立てたフォームドミルクを作る際は、蒸気の温度を、音で判断しているのだそう。店頭に立ちながらも、聞こえてくる音でスタッフさんへ指導することもしばしば。佐々木さんのスキルがすごすぎる!

 

 

“うまくいかない”立地だからこそ、最高の質を求めて。

もともとは佐々木さんの実家だという同店。店をオープンするにあたり、「ここで商売をしてもうまくいかないよ」と言われたこともあるのだそう。「そんな立地だからこそ、最高の質をお客様に提供したいと思った」と佐々木さんは語りました。

〈AMBER COFFEE〉のコーヒーも、お食事もスイーツも、最高水準。さらに最高なのは接客です。いつ伺っても爽やかに、スマートに接客してくださるスタッフさん。コーヒーをよく知っている人にも知らない人にも、おすすめができるように教育を行っているといいます。

どの点をとっても抜かりないサービスを提供している〈AMBER COFFEE〉。立地のハンデを店の総合力で補い、他のお店では出せないクオリティで勝負することで、「何をやってもうまくいかない」という地域の常識を見事に覆してみせました。

〈AMBER COFFEE〉は、ただコーヒーや食事がおいしい店ではありません。常にお客様の想像を超えたものを提供したい! という想いを感じることができるお店です。お店にいる時間だけは、自分がスペシャルゲストになったような気持ちになれるのです。

だからこそ人々は今日も〈AMBER COFFEE〉へと足を運びます。普通の枠を飛び越えたスペシャルティを、お店に求めて。 

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