〈432factory〉のサクふわぁアップルパイで、“ちょっとした非日常”を。

八戸の観光名所のひとつである〈八食センター〉内で、焼きたてアップルパイの香ばしい香りをはなっているのは〈432factory〉。お土産屋さんの〈創季屋〉が運営するスイーツ店です。おいしいものがズラリと並ぶ〈八食センター〉ですが、仕事帰りに、1日の疲れを癒してくれるアップルパイをひとつ、いかがでしょうか?

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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多くのお店や人でにぎわう〈八食センター〉内に、突如、東京のお店が出現したのかと目を疑うほど、都会的な内装のお菓子屋さんがあります。それは、〈432factory〉。2022年8月4日にオープンしました。

同店のコンセプトは「体感するときめきを、あなたに」
「素材そのものの味や香りを生かしたお菓子づくりをしています。当店のお菓子で、日常のなかの“ちょっとした非日常”を楽しんでもらえたら嬉しいです」と語るのは、企画・マーケティング担当の田中史江(たなか ふみえ)さん。

“ちょっとした非日常”の演出をすべく、店内全体のイメージもシンプルで上品なものに。内装だけでなく、商品パッケージなどもあえて色数もおさえ、落ち着いた雰囲気づくりにつとめたといいます。工房一体型の店内では、作業風景も見て楽しむことができ、大人も子どもも釘づけです。

作業中の田中さん。特別に工房内に入らせていただきました!

うーん、なんだか、焼きたての香りがただよってきます。これは一体なんの香りなんだ……?

〈432factory〉提供。

これは、ア、アップルパイ!!?

そう、魅力的なお菓子が並ぶ〈432factory〉にて、ぜひ食べていただきたいのは、「アップルパイ」!
そのおいしさを、徹底的にインタビューしてきました! オラ、ワクワクすっぞ!!

 

432層のパイ生地が生み出すサクッ、ふわぁ、のアップルパイ。

四角い形をした〈432factory〉のアップルパイ(1個380円)。店頭に並ぶアップルパイからは、バターの香ばしい香りがします。

〈432factory〉提供。

見た目と味のバランスのためにアプリコットのジャムを上から塗っています。塗られていったそばから、宝石に変身していくアップルパイたち。ジャムが塗られて輝きが増す姿は、平和を守る魔法少女みたい(?)。本当にかわいい。控えめに言って、好き……!

アップルパイたちが綺麗に並んでいる姿を見ているだけでも楽しめますが、当の本人(本パイ)たちは、お客さんに食べてほしそうにこちらを見つめています。本当に見つめているんです。実物を見たらわかります。

購入すると、バーガー袋に入れて渡されます。小さめなのでバーガー袋にすっぽり入っており、これならパイ生地をこぼす心配がなさそうです。食べ歩きをしながら、〈八食センター〉を回るのもいいかも!

中にはりんごのジャムが。甘すぎず、りんごのジューシーさが残っているような味わいです。その季節で旬のりんごを使用しているそうで、取材時は「メルシー」というりんごが使用されていました。これからの季節は、りんごの代表「紅玉」のアップルパイも登場するそうですよ!

なんといっても一番の魅力は、パイ生地のさっくり感。同店のアップルパイのパイ生地はなんと432層! 食感を追求していった先で、パイ生地の膨らみ具合やさっくり感が一番ちょうどよかったのが、432層だったそう。なるほど、だから〈432factory〉という店名なんですね。

このさっくり感を生むために、バター選びもこだわっています。使用しているのは「カルピスバター」。通常のバターよりも、独特の乳臭さや重みがなく、水分量が少ないため、ちょうどよいさっくり感とあっさりとした味わいを楽しめるのだとか。

外はさっくりふわふわ、中のジャムがしみているパイ生地はやわらかくふやけており、食感のグラデーションができていて、とってもおいしい。

「焼きたてほやほやだと、中のジャムでやけどをしてしまうかもしれないので、ほんのり温かいくらいが一番おいしいと思います」と田中さん。猫舌の筆者としては大変ありがたい仕様です。

食べ終わると、もうひとつ食べたい! なんなら毎日食べたい! と思わせられるアップルパイでした。

 

なぜ〈八食センター〉でアップルパイ?

〈八食センター〉内〈創季屋〉。

〈432factory〉を運営している〈創季屋〉は、長年、食のお土産屋さんとして、自社のオリジナル商品から青森県内を代表するお土産品まで、幅広く取り扱いながら、〈八食センター〉で商売を続けてきました。

〈創季屋〉には、地元の人から観光客まで幅広いお客さんが来店してくださるそうですが、実は、地元の人向けのお店をつくりたいと長年考えていたのだそう。また、お土産屋さん激戦区の〈八食センター〉内では、スタッフのファンはいても、お店のファンをつくることに苦戦していた経緯もあり、〈創季屋〉のブランディング施策のひとつとして、お店を立ち上げることになりました。

そこで選ばれたのが、アップルパイ。青森県だからりんごを使ったお菓子を提供しよう、と考えたことも理由のひとつだそうですが、工房一体型の店舗にしたかったのも大きな理由なのだとか。

工房一体型店舗のメリットは、食べる前に楽しめること。工房で何かつくっている“動き”を見せることで視覚的に楽しめ、オーブンで焼けた香りで嗅覚的に楽しめます。オーブンからただよう香ばしい香りは、別の用事で〈八食センター〉に来ていた人だって、ついつい足を止めてしまうような宣伝効果も抜群です。

「あの人、何をしているんだろう?」や、「なんかいい香りがする!」という“わくわく”は、同店のアップルパイを食べるための伏線になっており、わくわくと共にひとくち味わうことでよりおいしく感じてしまうのは、筆者だけではないはず。

完璧な伏線回収! このアップルパイ、策士だぞ!!

また、平日は土日と比べ、客足が落ちてしまうことから、仕事終わりにふらっと寄ってもらえるようなお店もコンセプトに入れていたのだそう。

〈432factory〉のアップルパイは、大きさもちょうどよく、味わいもあっさりしていてくどくないので、食べるのに体力が不要。元気がなくても食べるだけで回復できる魔法の宝石です。1日の疲れを癒すにはもってこいのスイーツですね。

 

アップルパイだけじゃない! 新食感スイーツをお楽しみください。

〈432factory〉ではアップルパイだけでなく、さまざまな種類のスイーツも販売しています。今回は、田中さんのおすすめを紹介していきます!

mochi-ve shiro(モチーヴ 白)(280円)。

見た感じ固そうなお菓子に見えますが、実際につまんでみるとその意外な感触に驚きます。中身はオートミールやクラッカーがぎゅっと詰まったさっくり食感がありながらも、白い部分はもっちりとしており、想像と違う食感が楽しめました。

ドライクランベリーの甘酸っぱさがいいアクセントになっており「なんか見たことはあるけど食べたことがない」お菓子として、手土産にもぴったりです。

koyuki(こゆき)(200円)。

名前の通り、口溶けがなめらかなお菓子です。中にはバターとミルクの餡が入っていますが、くどすぎない甘さが特徴的。生地も餡も非常に柔らかいので、どの年代の方にも楽しんでいただける一品になっています。

〈432factory〉提供。

ほかにも、季節のフルーツを使用したアイスが何種類もあり。

みんな大好き「バウムクーヘン」も白と黒の2種類あるなど、多様なラインナップでお客さんを楽しませてくれる〈432factory〉。どれもこれも、見ても食べても楽しめる商品ばかりで、むしろどれを買うか悩ませてしまうかもしれません(笑)。

「〈432factory〉では、常に新しいお菓子を企画しています。テンポよく出していって、今後もお客さまを飽きさせず、楽しんでもらえるようにしたいです」と語る田中さん。リピーターは増えているようで、一度行ってみたら気に入ってもらえることは間違いなし!

アップルパイと聞くと、「またアップルパイか」とうんざりしがちな青森県民。しかし、りんごは私たちにとって一番身近なフルーツです。地元のおいしい素材を、いかに地元でおいしく食べていくかは、今までもこれからも、この地域に住む私たちのテーマでもあります。

〈432factory〉では、見たことがあるようで食べたことのないお菓子がたくさん並んでいます。りんごだけではなく、地域の上質な素材の新しい食べ方を提案してくれる同店は、〈八食センター〉に入るテナントとして、まさしく八戸の食文化をより豊かにしていってくれています。

いつもの日常に疲れたら、ぜひ〈432factory〉へ。八戸にありそうでない“ちょっとした非日常”なお菓子たちが、きっとあなたを癒してくれます。

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