〈種差海岸インフォメーションセンター〉に聞いた、種差エリアの楽しみ方【種差】

太平洋に面する青森県八戸市の南東部、海と山が織りなす自然に満ち溢れた種差海岸。〈種差海岸インフォメーションセンター〉は、三陸復興国立公園の情報拠点として2014年7月12日にオープンしました。種差海岸を背景に、ここでは日々、自然と人、人と人との交流が生まれています。センターで働くスタッフの方々にもお話を伺いながら、種差海岸の魅力に触れてきました。

writer
上野こず恵

2025年開催【ライター養成講座】受講修了者

青森県八戸市出身
・50
専業主婦
・趣味は読書と映画鑑賞

 


楽しみ方①“歩く”を楽しむ。

種差海岸にはいくつもの楽しみ方がありますが、そのひとつが「みちのく潮風トレイル」。「みちのく潮風トレイル」とは、東日本大震災からの復興のため環境省が整備した自然歩道のことで、青森県八戸市から福島県南相馬市までの太平洋沿岸、約1000kmを超えるロングトレイル。東北太平洋沿岸ならではのダイナミックな海、川、里、森と連続する美しい景観が特徴です。

「国内外問わずですが、海外の方、特にフランス、ドイツ、アメリカなどの欧米やオーストラリア、ニュージーランドなどの方が増えているようです」とスタッフの方は話します。自然の中を歩いたり、徒歩で旅行をしたりする「トレイル」は、欧米には既に根付いている文化のようです。

全行程を歩き切るには平均45日間ほどかかりますが、旅行会社のツアーに参加して10日間で歩けるだけ歩く方もいれば、全行程を一度で制覇する猛者もいるのだとか。

ここ種差をのんびりと散策するなかで。
どこかを目指す旅の途中で。
さまざまな”歩く”を楽しむ人々が立ち寄る拠点なのですね。

「みちのく潮風トレイル」の情報が確認できる。

楽しみ方②年間650種類もの花が咲く「花の渚」を満喫する

「花の渚」とも呼ばれる種差海岸。年間を通して650種類もの花が咲くともいわれています。

「ここで問い合わせが多いのは花。花の問い合わせはものすごく多いです」とスタッフの方。数年前のテレビドラマで花が注目されたことをきっかけに、さまざまな花を見ること自体を目的に訪れる方が増加しているそうです。

センターには225種類の花のパネルが展示されており、高山植物や海浜植物、さらにはこの地が北限/南限となる植物まで、実に多種多様。来館者が「この花は何ですか?」と実際に写真を撮って尋ねてくる場面も多いため、スタッフの方々も実際に現地を歩き、季節ごとに情報をアップデートしています。

このパネルに載っている花を見つけたら楽しい。載っていない花を見つけたら気持ち高ぶる。

楽しみ方③種差海岸の素材を使った工作を体験する

センターで人気の「ぷらっとプログラム」は、その名のとおりぷらっと立ち寄って楽しめる予約不要の工作プログラム(団体様の場合は材料準備の都合もあるため予約が望ましい)。種差海岸の松ぼっくりや貝殻、シーグラスなどを使った工作が体験できます。
過去には、種差海岸の砂や貝殻だけでなく、リサイクル素材も活用した作品作りなどが開催されました。

子どもたちだけでなく、大人の方ももちろん参加可能。男性おひとりで参加されたケースも!

「ここは環境省所管の建物で、三陸復興国立公園を紹介するための施設です。旅行者の方々が国立公園を楽しく学び、気持ちよく旅行できるよう、情報発信しています」とスタッフの方は語ってくださいました。

種差海岸の彩り豊かな自然と、それを楽しみながら学べる館内展示や体験プログラム。
「ここではこんなことができるんだな」「こんなことをしているんだな」と新たな発見をして帰る方も少なくありません。

年齢性別問わず夢中になれる自由工作。創造力がかき立てられる。

アイスの棒を利用。「TANE」の部分はウニの殻、「SASHI」は松ぼっくりのひだを組み合わせて。

使い古しのワインコルクと、海岸で拾ったシーグラスで。シーグラスの形が絶妙にウミネコ!

手作りハーバリウムが、館内に涼を呼び込む。

センターでは「ぷらっとプログラム」だけでなく、写真展などの企画展、トレッキングプログラムなども行われています。
時期によってプログラムの内容、スケジュールは変わるので〈種差海岸インフォメーションセンター〉のHPをチェックして、家族や友人と参加するのも楽しそうですね!

地元の人々との繋がりが生まれる場所

センターは遠方から訪れる観光客だけではなく、地元住民にとっても憩いの場です。
「暑いから涼みに来たよ」と立ち寄る方や、拾った松ぼっくりや貝殻を「工作に使って」と届けてくれる方もいらっしゃいます。こうして集められた素材はプログラムで実際に利用されています。

海、松林、空、ウミネコ、砂浜、芝生、花、そして人。
季節ごとに異なる表情を見せる種差海岸を全身で感じる〈種差海岸インフォメーションセンター〉。ぜひ一度訪れてみませんか?

絵画のような、窓から見える夏の種差海岸の絶景。旅の疲れも癒やされる。

鳴き砂をじっくり観察。その存在を知らない地元民も多い。

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