忙しい毎日にちゃんとしたご飯を。〈農家の台所 昔ながら〉のランチで心もぽかぽか。【一番町】

みなさん、ちゃんと食べてますか? 忙しい毎日のなかで、食事をおろそかにしてしまう人もいるのではないでしょうか。JR八戸駅から徒歩3分のところにある〈農家の台所 昔ながら〉では、実家のような安心感のあるあたたかいランチを堪能することができます。それは、健康と食に向き合った店主の歩みが、やさしく息づいているからでした。

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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駐車場は4台まで。

JR八戸駅東口より徒歩3分。〈ローソン八戸駅前店〉の目の前をまっすぐ進むと〈農家の台所 昔ながら〉(以下、昔ながら)の駐車場看板が見えます。それを目印に右へ曲がった先にあります。

店名の通り、昔ながらの家庭料理を提供しているという同店。お昼時には満席になってしまうほど地域の方から愛されています。今回は特に人気のあるメニューを二つ紹介していきます。

 

心もお腹も満たす、〈昔ながら〉の人気定食。

一つめは「塩唐揚げ定食」(850円)。片栗粉と米粉を使用した衣は、咀嚼が楽しくなってしまうほどのカリカリ食感で、噛んだ瞬間の「ザクッ!」という音に心躍ります。

シンプルな塩味が鶏肉本来の旨みを十分に引き立てており、唐揚げから溢れ出る肉汁だけで白米が進んでしまいます。ともに運ばれてきたマヨネーズやレモン汁をかけても、味が喧嘩することなく、味変を楽しむこともできました。

そしてなんといってもこの大きさ!

でかい! 食べ応えがありすぎる! 
付け合わせのキャベツやにんじんのサラダがいい箸休めとなり、飽きることなく食べ進めてしまいます。気づいたら肉・米・野菜のループに入り、あっという間に完食。

続いて「やさい炒め定食」(800円)。

一般的に「野菜炒め」といえば、「野菜」を名乗っているわりに肉が主役になっていることが多いメニューです。しかし〈昔ながら〉の「やさい炒め」は、本当に野菜が主役なのです!

こんなに豚肉が肩身の狭い思いをしている野菜炒めを、私は見たことがありません。

一口食べると、もやし、きくらげ、たけのこ、にんじんなど、野菜のシャキシャキとしたみずみずしい音が聞こえてきます。ブラックペッパーのアクセントがたまらず、次から次へと軽やかに箸を口へ運んでしまいます。

ご飯は並盛りで注文しましたが、大盛りでもよかったと思えるくらい、白米との相性が最高です。自分、もっと食えます! 食わせてください!!

……と言いたいところですが、歯応え抜群な同店の野菜炒めは、よく“噛まさる”! 「〜さる」とは、南部地方の方言で「意図せずに、不可抗力で発生した結果」に使う表現ですが、本当に、私の歯が勝手に野菜炒めをよく“噛んでしまう”のです。

この日の小鉢のひとつ。生姜味噌で大根を食べると、青森県にいるなぁと実感がわきます。

定食には、ご飯、味噌汁、小鉢がついています。常連が多い〈昔ながら〉では、できるだけ日替わりの小鉢になるように工夫しているのだそう。季節に合わせて使用する食材や仕込む料理が変わるため、小鉢で四季を感じることもできそうです。

完食する頃にはしっかりと満腹になり、心も満たされてしまいました。よく噛んで食べたことで脳みそも活性化し、お腹いっぱいなはずなのに眠くならずに午後の仕事も頑張れそうです!

水はセルフサービスです。

〈昔ながら〉の料理について、店主は「できるだけ県産品を使い、“ま・ご・わ・や・さ・し・い”の食材を取り入れるようにしています」と語ります。

“ま・ご・わ・や・さ・し・い”とは、取り入れると健康的な食生活を送ることができる食材の頭文字で、豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いもの7つ。

同店では、白米に有機栽培のお米を使用したり、味噌汁には新郷村の〈戸来商店〉が醸造する生味噌「紅葉味噌」を使用したりするなど、商品の至るところに健康へのこだわりを感じました。なぜ、そこまで健康と食に向き合うようになったのでしょうか。

その答えは〈昔ながら〉開業のきっかけにありました。

 

食と向き合い、人とつながる。

〈昔ながら〉の開業のきっかけは、店主の親族に重い病気が見つかったことです。現代日本では、癌や心疾患といったいわゆる生活習慣病になる人が増えていますが、店主はなぜこんなにも病気になる人が増えているのか疑問に思ったのだそう。

そこで辿り着いた答えのひとつが、食生活の変化だったといいます。便利な世の中となった今、昔に比べて無添加のものを食べることが難しくなっていると感じた店主。自分や家族が健康で長生きできるよう、少しでも食べるものの添加物を減らすために、十数年放置していた畑を耕して自ら野菜づくりを始めました。

お米も販売しています。

ところが、何年かして野菜づくりがうまくいくようになると、今度は野菜が余るようになってしまったそうです。そこで知人の紹介を受け、軒先商売として野菜を販売するように。その後、お客さんのつながりから、白山台や館鼻岸壁の朝市でも野菜を販売するようになりました。

次第に野菜以外にも、手づくり生麩、収穫した大豆や野菜を使用したおかず、揚げ物なども販売していたそうです。

そんな流れのなかで、商売の面白さを感じた店主は、現在の店舗で飲食店を開業することを決意。7年前に〈農家の台所 昔ながら〉がオープンしました。

「自分の努力でというよりは、たくさんの人とのつながりから現在に至っているように感じます」と店主。店内に飾られている写真も、知人のカメラマンが撮影したものだそう。“昔ながら”の風景が切り取られているので、こちらにもぜひ注目してみてほしいです。

親族の病をきっかけに「健康と食」に真剣に向き合い始めた店主。人との縁に導かれながら、ひとつひとつ積み重ねてきたその歩みが、〈昔ながら〉の料理にも店内の雰囲気にも、やさしく息づいているようです。

同店で食べられるのは、特別なごちそうではなく、日常の延長線上にあるちゃんとしたご飯。忙しい毎日で忘れてしまう「ちゃんと食べること」の大切さを思い出させてくれる、まるで実家のようなあたたかさがここにありました。

忙しい人ほど、ぜひ立ち寄ってみてください。食べるものがあなたの未来をつくるのだから。

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