〈南部もぐり〉の料理をアテに〈八戸酒造〉のお酒を飲もう。おすすめの組み合わせはこれだ!【六日町】

八戸市に2軒ある酒蔵のひとつ〈八戸酒造〉の九代目である駒井秀介さんをお招きし、日本酒に合う料理を紹介します。お店は六日町の〈南部もぐり〉。どんな日本酒に、どんなお料理に出会えるのか、楽しみです!

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小田桐咲-amy-odagiri

1996年生まれ。直感と勢いで生きる牡羊座。青森県八戸市出身。5歳から武術太極拳(カンフー)を嗜んでおり、2019年の全日本チャンピオン。2026年のあおもり国スポでの優勝を目指し、20208月にUターン。『海猫ふれんず』として地元の情報も発信中。育ててくれた街や人に感謝して、その恩を返していけるように活動していきたいです。
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八戸市には、前回紹介した〈八戸酒類〉の他に、有名な酒蔵がもうひとつあります。それは、湊町に蔵をかまえる〈八戸酒造〉。2021年の『世界酒蔵ランキング』では、1位に輝いた酒蔵です。

本記事では、特別に〈八戸酒造〉九代目の駒井秀介(こまい ひでゆき)さんをお招きし、〈八戸酒造〉のお酒にはどんな料理が合うのかをご紹介いただきました。

編集部の都合上、一店舗のみの紹介となってしまいますが、取材中も「他にも紹介したいお店がある」と何度もおっしゃっていた駒井さん。こちらの都合で本当にすみません! ぜひ次回、他のお店もご紹介いただけると嬉しいです‼️

今回ご紹介いただいたのは、〈南部もぐり〉。裏通りにある〈やま正ビル〉の2階に店をかまえており、階段の入口には看板が。

「南部もぐり」とは、岩手県洋野町に伝わるヘルメット式潜水のこと。水深25〜30mの海底で、3〜4時間作業が可能だといいます。100年以上の歴史がある「南部もぐり」ですが、当時は八戸南部藩の領地だったため、「南部」の名がついているのだそう。

宇宙飛行士のような見ための潜水夫がキュートに描かれています。

店の入口には、酒蔵に掲げられている杉玉が! 日本酒のラベルが貼られた戸も味があり、期待が高まります。わくわく!

店内はカウンター席と小上がりの席と2種類。ひとりでしっぽり、みんなでのんびりのどちらでも楽しめそうです。

そんな〈南部もぐり〉にて駒井さんにご紹介いただくのは、こちらの4種類のお酒に合う料理たち。

もちろん、お酒の飲み方は人それぞれ。自分好みに飲んでいただくのがいいと思いますが、今回はそれぞれの酒の個性に合わせた料理をチョイスしていただこうと思います。う〜〜、胸が高鳴る〜〜‼️

 

〈南部もぐり〉の料理と共に楽しむ〈八戸酒造〉の地酒たち!

初めに紹介するのは「8000 DRY SPARKLING 2019」。グラスで用意してもらい、まるでワインのようですが、日本酒のスパークリングなのです。

しかしながら、「これぶどうから作られたんですよ」と言われても納得してしまうほどの味わい。実際に、取材時には駒井さんに騙された筆者です(笑)。

シャンパンの製造などで用いられる瓶内二次発酵で作られており、酸を基調とした、甘すぎないドライな味わいになっています。

乾杯時にはもちろん、どんなお料理でも合うとおすすめの「8000 DRY SPARKLING 2019」。今回は、「みょうが甘酢煮」(330円)と共にいただきました。みょうが特有の味わいと「8000 DRY SPARKLING 2019」のすっきりとした味がマッチしており、爽やかな気分で楽しめます。

次に紹介するのは、「陸奥八仙 赤ラベル 特別純米(火入)」と「ひらめの骨センベイ」(440円)。

「八仙」らしい華やかで甘みのある、口当たりの良い「赤ラベル」は、どんなおつまみとも相性抜群。今回は「ひらめの骨センベイ」と一緒にいただきます!

「ひらめの骨センベイ」の絶妙な塩加減と、ザクザク、ぱりぱりと良い音が口の中で響く食感がたまりません。そこに「赤ラベル」をくいっ! といくと、「甘い→しょっぱい」の永遠ループ……。非常に箸の吸引力があるおつまみです。次から次へと食べて飲んでを繰り返してしまうので、ご注意ください(?)

冷めてもおいしいのですが、まずは熱いうちに食べることをおすすめします!

3つ目は「陸奥八仙 ISARIBI 特別純米(火入)」と「刺身盛り合わせ」。

「ISARIBI」は「漁火」の意味で、湊町の酒蔵として「漁師さんの食中酒」というイメージで作られたお酒なのだそう。ラベルも、イカ釣り漁船の光をイメージしたデザインになっています。

「八仙」というと、先程の「赤ラベル」のようにフルーティーで華やかな香りがあるイメージが強いですが、「ISARIBI」は他の「八仙」とは一味違うお酒になっています。

香りは控えめですっきりとしており、キレのいい後味は、まさに食事に寄りそうお酒。魚の旨みを邪魔することなく、むしろ引き立てているようにも感じられます。

魚がうまい、酒がうまい! これが八戸! です‼️

いくらでも食べれる気持ちになること間違いなし。刺身を食べる際には、ぜひ一緒に召し上がってみてください。

最後に紹介するのは、「陸奥男山 クラシック(火入)」と「ホヤの酒蒸し」(660円)。

ホヤの旬は5〜7・8月とされていますが、「年中ほやをおいしく食べさせたい!」という〈南部もぐり〉のマスターの思いのもと、作った酒蒸しを冷凍保存しているのだそう。確かに、ホヤは夏に生で食べるイメージが強く、酒蒸しにされているホヤは見かけたことがありません。ですが、寒さが厳しくなるこれからの八戸で、これは非常に重宝されるお料理ですね。冬でもホヤが食べられる! 嬉しい‼️

また、蒸す際のお酒には「男山 クラシック」を使用しており、相性抜群なこと間違いなし!

「温かいものは、温かいものと一緒に食べるのが良い」と語る駒井さん。本日は「男山 クラシック」を熱燗でいただきます。

ここで食べ方をレクチャーいただきました。まずはスープをひとくち。温かいスープが体の奥まで染み渡ります。ホヤから出た出汁もうまい……。

ホヤの身を皮から剥き、大葉とネギを一緒に巻いてそのままパクリ。肉厚なホヤの旨みもさることながら、ネギの甘みと大葉の風味が口の中でより上品な味に仕上げてくれます。

そして「男山 クラシック」をひとくち。熱燗になったことで、少し甘みが増し、酸味がまろやかになったように感じられます。心も体も温まり、ほっこりできる組み合わせですね。

 

酒の入口を広げ、若者にも楽しんでもらえる日本酒を。

ところで、日本国内の総酒類消費量のうち、日本酒が飲まれている割合はどれぐらいだと思いますか?

正解は、6%未満! 酒類消費量のほとんどを、ビールや発泡酒、酎ハイなどが占めています。また、若者のアルコール離れも進み、1人あたりの酒類消費量は、1992年度のピークから右肩下がりで約2割以上も減少しているのだそう。

そういった背景も踏まえ、〈八戸酒造〉では定番酒の製造だけでなく、新ジャンルとして、ワインやビールの酵母を取り入れるなどの挑戦を重ねています。「若者の日本酒の入り口となれるよう、試行錯誤を重ねている」と語ってくれました。

〈八戸酒造〉の駒井さん。飲むとすぐに顔が赤くなってしまうそう。親知らずの抜歯直後だったにもかかわらず取材を引き受けてくれました。

八戸市には酒蔵が2軒もあり、地元の新鮮な魚や採れたての野菜が楽しめる飲食店が中心街に集まっています。みろく横丁をはじめとした中心街に連なる8つの横丁も、八戸の魅力のひとつです。

せっかく八戸に住んでいるのなら、地元の酒を楽しんでもらいたい!

お酒が苦手な方は、まずは地元のおいしい料理と共に、少しずつお酒を楽しんでみませんか?

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